【フロー解説】ホームページ制作の流れ|全体像と各工程のポイントを解説!

ホームページを初めて制作する方や、初めて制作会社に依頼する場合は、以下のような不安を感じることが多いのではないでしょうか。

  • ホームページ制作の進め方が分からない
  • ホームページ制作の時間や費用を知りたい
  • すべて自分で作らなければいけないのか不安

実は、成果を出せるホームページを作るには基本の流れと押さえるべきポイントがあります。

ホームページ制作は基本の流れを押さえて、工程通りに実践することで効率よく制作可能です。

この記事では、成果を出せるホームページを効率的に作る方法を全体像から各工程のステップまで細かく解説していきます。

具体的なフローも交えて解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

目次

ホームページ制作の流れ

ホームページ制作を依頼する流れは、大きく分けて5つのステップになります。

スクロールできます
フェーズステップ主な実施内容目安期間
企画フェーズStep1
制作会社の選定
・目的や予算の設定
・制作会社の選定、問い合わせ
・提案と見積もり比較
・発注
約3~4週間程度
Step2
競合調査・企画
・目的やターゲットの明確化
・調査と分析
・ホームページの方針決定
約3~4ヶ月程度
Step3
サイト設計
・ページ、コンテンツ設計
・システム設計
制作フェーズStep4
開発・実装
・コンテンツ制作
・システム開発
・テスト
Step5
公開・リリース
・公開準備
・リリース
・運用

各ステップの解説に移る前にまず押さえていただきたいのは「ホームページ制作の成功要因は企画フェーズにある」ことです。

企画フェーズをおろそかにすると、せっかく費用と時間をかけて作ったのに誰も見ない「残念なホームページ」ができてしまうためです。

まずは企画フェーズの内容から順に解説します。

【ホームページ制作の流れ:Step1】制作会社の選定

ホームページ制作を成果につなげるには制作会社選びが重要です。

無数にあるホームページ制作会社の中から、「どの制作会社を選べば良いのか」判断するポイントを解説していきます。

制作会社の選び方、費用相場

ホームページ制作会社選びの最重要ポイントは2点です。

  • Webマーケティングのノウハウがあるか
  • 自社と似た状況の実績があるか

ホームページ制作会社は数多く存在しますが、「ホームページの目的や方向性」と「制作会社の得意領域」を比較することで、どの制作会社に依頼するべきか検討できます。

ホームページからの集客やマネタイズには、Webマーケティングのノウハウが欠かせません。

そのため、ホームページ制作会社に掲載のサービス範囲公式ブログなどから実績を判断したり、クライアントからのレビューといった第三者の情報を参考にすると良いでしょう。

例えば、「自社と同じ業界や企業規模の実績がある」「想定するターゲットの実績がある」などです。

大規模サイトや有名サイトの実績だけで判断するのではなく、自社と似た実績があるサイトを参考にすることで、業界特有の情報や特色にあったホームページを制作できます。

次に、制作会社に依頼する場合の一般的な費用相場は、以下の通りです。

この内容を参考にホームページ制作が完了するまでの大まかな予算を確認しておきましょう。

ホームページ規模費用相場
小規模サイト 1~10ページ30万円~
中規模サイト 10~30ページ60万円~
大規模サイト 30~60ページ150万円~
ECサイト100万円~

制作会社をいきなり1社に決めるのではなく、3社程度の候補を絞って相見積もりを取ることをおすすめします。

担当者によるヒアリング

候補の制作会社に問い合わせると提案や見積もり作成のために、担当者によるヒアリングが行われます。

事前に決めておいたホームページ制作の目的、方向性、予算などを伝えます。

ホームページ制作の要望をまとめたRFP(提案依頼書)を作っておくと、制作会社からのヒアリングをよりスムーズに進められるのでおすすめです。

RFP(提案依頼書)の主な内容
  • ホームページ制作の目的、ゴール
  • 方向性
  • ターゲットユーザー
  • 予算
  • 希望納期
  • システム要件

ヒアリングの際には、担当者とのコミュニケーションの相性なども重要なポイントです。

例えば、「誠実に対応してくれているか?」「相談に対する返信は早いか?」などが挙げられます。

ホームページ制作では担当者と頻繁に連絡を取るため、日々のやり取りが円滑に進められる会社を選びましょう。

提案内容と金額を確認する

ヒアリングの後は制作会社からの提案と制作費用の見積もりの回答があります。

問い合わせたすべての制作会社からの提案を受けたら、提案内容と制作費用を比較検討しましょう。

  • 自社に目的を達成できそうか?
  • 独自の工夫があるか?
  • 希望の予算に収まっているか?

最も希望に合う制作会社に発注を行いますが、上記のように制作会社の評価項目を事前に設定しておき、各項目を◯/△/✕や点数で評価できるようにしておくと判断しやすく便利です。

【ホームページ制作:Step2】競合調査・企画

制作会社が決まったら制作会社とともに目的やゴールなどの企画の精度を高めます。

企画はホームページ制作全体の品質に影響するため、事前にしっかりと時間を確保して行いましょう。

目的とゴールを設定

依頼時に定めたホームページ制作の目的や方向性を、制作会社とともに明確化します。

あわせて「どのような条件で目標達成したとみなせるのか?」というゴールも具現化しましょう。

制作会社との認識合わせをより確かなものにするために、ゴールは数値で表せることが理想的です。

  • 1ヶ月の問い合わせ数を100件から400件以上にする
  • セミナーあたりの申込数を30件から100件以上にする
  • ホームページ経由の入社希望者数を3ヶ月で100名以上にする

制作会社との共通認識ができれば、お互いに迷いなく進められます。

ターゲットユーザー(ペルソナ)を定義

明確化したホームページ制作の目的やゴールをもとにターゲットユーザーペルソナを定義します。

ターゲットユーザーとは「自社の製品やサービスを利用してほしい人物像」です。

例えば、「40歳代で東京在住の男性会社員」のように、年齢、性別、居住地、職業などの基本属性を大まかに設定します。

ペルソナとは、ターゲットユーザーを仮想の個人単位にまで落とし込んだ「具体的な人物像」です。

基本属性だけでなく、趣味、性格、1日の過ごし方、現在の悩みなど、その人を具体的にイメージできるようになるまで詳細に作り上げます。

ペルソナを設定することで、作るべきホームページの方向性や特徴をより具体化できます。

項目詳細
氏名鈴木 一郎さん
性別男性
年齢35歳
学歴○○大学情報学部卒業
居住地東京都世田谷区
家族構成同年齢の妻、5歳の娘
職業大手IT企業のシステムエンジニア
年収700万円
保有資産約2,000万円
趣味ゲームとギター演奏
性格新しいものは積極的に試してみたい。最近は男性用化粧品に興味を持っている。

ペルソナを設定することで、作るべきホームページの方向性や特徴をより具体化できます。

競合調査と分析

競合調査には、「3C(自社、市場・顧客、競合)分析」「SWOT(強み、弱み、機会、脅威)分析」といったフレームワークを使うと考慮の漏れがなく検討できます。

競合調査は、競合のWebマーケティング施策を欠かさずに調査する必要があります。

競合のホームページ以外にも、SNSやWeb広告などのオンライン情報に加えて、店頭広告や雑誌掲載などのオフライン情報なども調査対象となります。

【化粧品メーカー(仮想)の3C分析例】

対象主な考慮ポイント調査結果
自社自社の経営理念自社のビジネスモデル自社の強みと弱み国内の女性用化粧品トップシェア。既存商品は強い一方、新規開拓ができていない。
市場・顧客市場規模市場の成長性顧客のニーズと変化女性用化粧品市場規模は大きいものの、近年は横ばいが続いている。今後の大幅な市場成長は期待しづらい。スキンケアに力を入れる男性が増えつつある。
競合競合の特定競合のビジネスモデル競合の強みと弱み競合の顧客のニーズと変化男性向けのヘアケア商品を作っていた業界2位企業がいち早く男性用化粧品を投入。ホームページ上でキャンペーンを実施し、Instagramや大手ドラッグストアでの店頭広告からの集客を狙っている。

得られた分析結果をもとに競合との差別化ポイントを見つけ出し、ホームページを制作する際に反映させます。

ホームページの方針決定

競合調査と分析が完了したら、「誰のどのようなニーズを満たすのか」というホームページの方針を明確に言語化します。

Point内容
誰の?40代の男性に向けて
どのような理由で?男性用化粧品を試してみたいと思っている
どのようなニーズ?何を選べば良いか分からない
どのように満たす?商品の選び方とおすすめの商品を記載する
どのような行動を期待する?購入サイトへの入り口を用意し購入してもらう

ホームページの方針は、後に行う設計や開発から運用に至るまでの「ガイドライン」となるため、非常に重要な工程です。

これまでの事前調査情報を元に、しっかりと言語化を行いましょう。

【ホームページ制作の流れ:Step3】サイトの設計

準備が整ったところで、いよいよホームページを実際に作成していきます。

最初のステップで重要になるのが、制作方針に沿って設計するワイヤーフレームです。

ワイヤーフレームとは「簡易的な画面設計図」のことで、ホームページ制作において各ページに載せる情報とレイアウトを視覚的に表現するとても重要なものになります。

ワイヤーフレームを作ることで、サイト完成時のイメージを関係者間で共有可能です。

ここからはワイヤーフレームも含めた、ホームページの設計手順を解説していきます。

要件定義

要件定義とは、これまでに決めたホームページの目的やターゲットユーザーのほか、システムやデザインなどの要件を詳細に決める工程です。

制作会社と認識を合わせるために、決めたことを「要件定義書」にまとめます

要件定義書の主な記載項目
  • ホームページ制作の目的
  • ターゲットユーザー、ペルソナ
  • 機能要件:商品販売やユーザー登録など、ホームページに必要な機能
  • 技術要件、システム仕様:CMS(コンテンツ管理システム)選択やサーバー仕様
  • 課題とリスク

要件定義書に記載された内容が、ホームページ公開前のテスト項目となる点でもあるため、両者で事前にしっかりと合意しておくことが大切です。

ホームページのワイヤーフレーム設計

上記の要件定義書を元に、ワイヤーフレーム設計を行います。

ワイヤーフレーム設計では、ユーザーが快適にページを操作し、閲覧できるような観点で以下の3点を意識すると良いでしょう。

ワイヤーフレーム設計におけるPoint
  • 何(文章、画像、ボタン)を載せるか
  • どこに載せるか
  • どのような(動きや機能)を載せるか

ページ全体の骨組みを作成する工程にあたるので、全体的な流れからページ遷移、ボタン配置に至るまでホームページで表現したい項目をしっかりと盛り込みましょう。

ページ構造・コンテンツ設計

ホームページのワイヤーフレームをもとに「ページ構造や各種コンテンツ」のデザインを設計します。

ページの構造とは、事前に設定したペルソナやホームページの方針に沿って「どこに」「どの情報」「どのように配置するのか」を検討することです。

読者にとって視覚的に見やすいページ構造になるように工夫しましょう

コンテンツ設計では、各ページのどのような内容・情報を盛り込むのかページの役割を明確化し、余計なページや重複してしまっているページを統合するなどの検討を行います。

事前にページ構造のルールを決めておくと、ホームページ全体として統一感があり使いやすく見やすいホームページにできます。

SEO対策の対応

ホームページ上で集客やマネタイズ化を行いたい場合には、SEO対策は必須の対策となります。

SEO(Search Engine Optimization)対策とは
「検索エンジン最適化」の意味で、Googleなどの検索エンジンで検索された際に、自社のホームページが上位に表示されるように対策することです。

上位表示が行われることで、ホームページへの集客効果は高くなり自然と商品やサービスのご成約につながります。現代のWebマーケティングにおいて必須の対応項目となります。

自社のホームページが上位表示されない限りWeb集客は難しくなるので、事前にしっかり準備しておきましょう。

システム設計

コンテンツ設計が完了したら、次はどのようなシステムを導入するのかを設計します。

ホームページの目的や規模により必要なシステムは大きく異なるため、目的に応じた選定を心掛けましょう。

代表的なシステム
  • CMS(コンテンツ管理システム):ホームページのコンテンツを効率的に管理するシステム。無料で使えるWordPressが代表例
  • DB(データベース):商品情報やユーザー情報を格納するシステム
  • セキュリティシステム:ホームページを不正アクセスから守るシステム
  • メールシステム:ユーザーへメール送信するシステム
  • アクセス解析システム:ユーザーの閲覧状況を分析するシステム

システム設計で考慮する主なポイントは、下記の通りです。

  • 要件定義を満たせるか
  • 事前に定めた予算内に収まるか
  • 保守運用はしやすいか

システム設計を間違えると、ホームページの規模によってページが閲覧できないや想定よりも月々のランニングコストがかかり収益化できない、オーバースペックだったなんてことも有り得るので注意が必要です。

【ホームページ制作の流れ:Step4】開発・実装

コンテンツ設計、システム設計をもとにホームページをプログラミング・開発していきます。

現在では、ノーコードで制作できるWordPressなどの便利なツールもあり初心者の方でも簡単です

一般的なホームページ制作の流れと合わせてご紹介しています。

デザイン・コンテンツの制作

ワイヤーフレーム設計で決めたルールに沿って、デザインやコンテンツを作ります。

デザインやコンテンツを作成する際にも、ホームページの方向性やターゲットユーザーを意識してください。

ターゲットユーザーに受け入れられやすいコンテンツや内容を選ぶと、集客へと繋がります。

以下の点を踏まえて設定すると良いでしょう。

  • デザインの方向性
  • 使用する色
  • 画像の取得元
  • 大まかなレイアウト
  • 単語や文章表現

デザインやコンテンツのパターンを共通としてあらかじめ設定しておくと、ホームページ全体として統一感が増し、見やすくなるのでおすすめです。

フロントエンドとバックエンドの開発

ホームページ制作のシステム開発には、フロントエンド開発とバックエンド開発の2つに分かれます。

フロントエンドとは、ホームページにおけるユーザーの目に触れる操作画面部分を指します。

主にHTML、CSS、JavaScriptといったプログラミング言語を使って開発されますが、無料で使えるCMSのWordPressを使えば、プログラミングの知識なしでも作成可能です。

また、ホームページはパソコンやスマホなど様々な環境で見られるため、どの環境からでも正常に表示できるよう考慮しましょう。

バックエンドとは画面を描画するためのサーバー側の処理や、データベースの部分を指します。

例えばオンラインで商品を購入した際に、お店への連携や発送完了のメールなどさまざまな処理が行われますが、ユーザーの目に触れない裏側の部分がバックエンドです。

オリジナルでシステムの構築も可能ですが、WordPressのようなCMSなどもあります。

テスト

ホームページに必要なシステム開発が完了したら、ホームページを公開する前に必ずテストを行います。

システムに問題点がひとつもないことは非常に稀なため、修正対応する期間も含めて計画しましょう。

テストのチェックモレを防ぐためにも、項目を事前にまとめておくことをおすすめします。

主なテスト項目
  • 各システムが仕様通りに正常に動作するか
  • 複数の端末、OS、ブラウザで正常に表示されるか
  • 問い合わせフォームはホームページ内検索は正常に機能するか

問題点をすべて解消できたらホームページの公開に向けて準備を進めます。

【ホームページ制作の流れ:Step5】公開・リリース

ホームページの公開には、コンテンツやシステムがあるだけでは、ホームページは外部から閲覧できないので、独自ドメインとサーバーを用意する必要があります

ホームページ公開までの手順を解説していきます。

独自ドメインを用意する

ドメインとは、インターネット上における住所にあたるものです。

例えば、ホームページのURL「https://www.example.com」の場合は「example.com」の部分が該当します。

ドメインはドメイン専門会社かレンタルサーバー会社で取得でき、独自に名称を設定可能です。

ドメインの種類・取得する専門会社によっては、年間の使用料が発生することもあるのでしっかり確認しましょう。

レンタルサーバーを用意する

ホームページを公開するには専用のサーバーも必要です。

すでにサーバーがある場合はドメイン専門会社でドメインを新たに発行します。

新たにレンタルサーバーを用意する場合は、サーバーの契約と同時にドメイン取得もできるレンタルサーバー会社を選ぶと便利です。

レンタルサーバーは、CPUやメモリなどの性能面に加え、追加機能や契約期間を選んで契約します。

サーバーを自前で用意する方法もありますが、柔軟なカスタマイズができる反面、多くの知識・時間・費用を必要とするため、特別な理由がなければレンタルサーバーがおすすめです。

公開・リリース

ドメインとサーバーが準備できれば正しく表示されるか確認を行った上で公開を行います。

公開後に新たな問題が見つかることがあるため、公開当日を含め数日間は速やかに対処できる体制を整えておきましょう。

特にデザイナーとエンジニアは突発的には手配しづらいため、あらかじめ日程を押さえておきましょう

公開によってホームページ制作はひとつのゴールを迎えますが、本来の目的やゴールを達成するには公開してからが本番と言えます。

ホームページの公開後に、SNSやプレスリリースで社外に発信すると、さらなる集客効果を見込めるため、積極的な活用がおすすめです。

まとめ

ホームページを効率的に制作する方法について、全体像から各工程における詳細を解説してきました。

基本的な流れを抑えてホームページを制作することで、効率よくホームページの目的を達成できます

この記事で解説したホームページ制作の流れとポイントをまとめます。

企画フェーズStep1
制作会社の選定
・ホームページ制作の目的、方向性、予算を設定する
・Webマーケティングのノウハウがある制作会社を選ぶ
・自社の境遇に似た実績のある制作会社を選ぶ
Step2
競合調査・企画
・ホームページ制作の目的やターゲットユーザーを明確化する
・競合調査と分析を行い、ホームページの方針を決定する
Step3
サイト設計
・企画内容をもとに要件定義しコンテンツを設計する
・ホームページの効果を高めるSEO対策を行う
制作フェーズStep4
開発・実装
・フロントエンドとバックエンドを開発する
・テスト設計を行い、開発後に必ずテストする
Step5
公開・リリース
・リリース前に独自ドメインとサーバーを用意する
・不測の事態に備えて体制を整える

着実にステップを踏んでしっかりと考えて作られたホームページと、ステップを踏んでいなかったり考えが不十分だったりするホームページとでは、リリース後の効果が大きく変わります

最短最速で成果を出せるホームページを制作するために、この記事で解説した流れに沿ってぜひ実践してみてください。

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