JBAはバイク業者用リアルネットオークション!特徴やシステムを紹介
中古バイクの売買と聞くと、バイク王やレッドバロンなどのバイク販売店が思い浮かぶのではないでしょうか?
ほかにも、最近はヤフオクやメルカリでの個人売買も流行ってきており、手軽にバイクが手に入るようにもなってきました。
しかし中古車業界を見てみると、業者のみ参加できる専用の「業者オークション」があるのです。
中古車業界では馴染み深い業者オークション。車関係の人であれば、この話を聞いてピンとくる人も多いと思います。
多くの中古販売業者は、仕入れが安定するとは限りませんので、自社で買取したものだけを売るわけにはいきません。目当ての商品を仕入れるために、このオークションを使用している業者は多いのです。
もちろんバイクの中古車業界も同じようなシステムが展開されており、バイクオークション会場だけでも日本全国10カ所ほど会場があります。
そして特に大規模なオークションを開催しているのが、「JBA」と呼ばれる業者が開催しているオークション。
流通台数が多く、一般では手に入らない希少車や、旧車なども手に入れることができるため、多くの業者が利用していることでも有名です。
そこで本記事では、JBAの特徴や流れと言った内容や、JBA以外のバイクオークション業者についてご紹介していきます。
バイクの販売業者でない人だと直接利用する事はないかもしれませんが、知り合いにバイク屋さんがあれば欲しいバイクを探してもらえるようにお願いするなどの使い方もできます。
この方法を使えば、意外と探しているバイクがすぐに見つかるかもしれませんので、この機会にちょっと仕組みを知っておきましょう。
JBA以外にもオークション業者はたくさんある
国内で代表的なバイクオークション業者は、次の4社があります。基本的な仕組みは変わりませんが、それぞれオークション方式や品質基準などが異なります。
- JBS
- BDS
- アライオートオークション(荒井商事)
- i-moto-auc(オークネット)
参加する方は、もちろん複数のオークションに登録しても構いません。
業者によっては全てのオークションに登録しているところもあるようです。また、規模だけで言えば、BDSが一番大きいとも言えます。
ただし、BDSは設立2年以上の店舗がある会社でなければ入会することができないことや、他にも厳しい審査基準がありますので、利用するハードルはかなり高くなります。
一方JBAの場合は、規模だけで言うとBDSに次いで2番目となっています。
しかし、JBAは出品されたバイクがネットで細部まで確認できる「リアルオークション」と呼ばれるシステムもありますので、直接会場に行かなくてもオークションに参加できるのです。
まさにリアルなネットオークションという感じで、使いやすさを考えると一番おすすめかもしれません。
JBA(ジャパン・バイク・オークション)の詳細情報
JBAは兵庫県神戸市と神奈川県横浜市の2会場を拠点とするバイクオークション業者です。
会場の大きさは約2,000坪の広さを誇り、全天候型の大型車両展示場が備え付けられています。
出品台数は、週に1回
- 神戸会場・・・1,000〜1,200台
- 横浜会場・・・1,300〜1,500台
となっており、BDSの約3,700〜4,200台に次ぐ出品規模となています。
ちなみに神戸会場は毎重火曜日、横浜会場は毎週金曜日にオークションが開催されています。
規模が大きいため、大手買取業者バイク王が買い取ったバイクも出品されています。輸入バイクや旧車など様々な種類のバイクが流通しているのも特徴です。
さらに出品されたバイクの落札率は8〜9割となっており、出品さえできればほぼ売れるようになっています。
そのため、他のオークションと比べて高い信頼のもと成り立っているオークションとも考えられますね。
JBAのメリットは比較的安く落札できること
JBAは大規模なオークション会場であるため、バイク王が企業などから大量に買い取ったバイクも多く出品されていることがありますので、比較的安く落札できることも多いようです。
また、エンジンがかからないバイクの評価はしっかり低評価が付けられて出品されていますので、無用なクレームに繋がることも少ないようです。
JBAのデメリットは出品されるバイクの状態にバラ付きあること
JBAで出品するには、一定基準の品質基準をクリアしなければいけませんので、ある程度の品質は確保されています。
しかし出品されているバイクが多いので、その中でも品質にバラ付きがあるのも事実です。
何回も利用していると、かなり程度の良いバイクを手に入れたからと言って、必ずしも次回も同じようなバイクが手に入るとは限りません。
そのため人によっては当たり外れがあるように感じることもあるかもしれませんね。
ただしJBAに出品するバイクに対し、
- 外観担当・・・傷や割れなどがないか
- 機能担当・・・動力や灯火類はきちんと作動するか
- 総合担当・・・フレームは部品の程度や走行距離などから判断する
など、最低でも3名の検査員によって厳しくチェックされています。
その甲斐あってか、過去5年間のクレーム発生は1%未満であるため、そこまで大ハズレすることはほとんどありません。
JBAの目玉である「リアルネットオークション」の特徴
JBAの最大の目玉とも言えるのが「リアルネットオークション」。
パソコンの中からバーチャルのオークション会場にログインし、欲しいバイクが見つかれば入札額を入力します。
ネットでヤフオクをしているような感覚ですね。
リアルネットオークション最大のメリットは、気になった箇所があれば拡大して細部まで確認できる「スーパーズーム」機能が付いていることです。
普通のネットのオークションでも、出品されている画像を拡大すれば良いのですが、出品者のカメラによって画質が異なります。
リアルネットオークションに出品されるバイクは、全て検査員によって専用の高画質カメラによって撮影されていますので、写真のクオリティが保証されているのです。
そのため画面越しでも安心してバイク選びができるのです。
JBAに入会できるのは「バイクの販売をしている業者」だけ
ここまでご紹介している内容を見てみると、良いバイクを安く手に入れるために是非とも利用したいと考える人も多いと思います。
しかしJBAの会員になるには、次のような条件があるのです。
- JBAの運営方針に賛同し、会員契約締結した者
- 「古物許可証」を有する者
- 二輪車に関する業歴1年以上の経験
- 二輪車販売店と認識できる店舗を持っている
- 二輪車オークションの現車会場の特性を理解している
- JBAが参加資格を承認した者
また、会員になった後でも、次の費用が必要になるのです。
- 初期費用(入会金・保証金・収入印紙)・・・136,400円
- 月会費・・・現車会員:4,800円 WEB会員:7,800円
- WEB会員は毎年3月・9月にシステムサポート費・・・12,000円
そのほかにも、バイクが出品・落札されると別途手数料も必要になります。
こうして見ると、会員になり続けるにも一定量の金額が必要ですので、個人より一定規模のお店を経営している人でなければ、利用し続けるのは厳しいのではないでしょうか?
また、一定量の額を納めることによって信頼できるバイクが取引できるというわけですね。
手数料については事項でさらに詳しく解説します。
JBAを利用する上で必要な手数料
JBAでバイクを出品するときに必要な手数料については以下のようになっています。
売り切り価格 | 出品料 | 成約料 | 落札料 |
---|---|---|---|
5万円未満 | 2,000円 | 4,000円 | 4,000円 |
20万円未満 | 2,000円 | 6,000円 | 6,000円 |
20万円以上 | 3,000円 | 8,000円 | 8,000円 |
基本的には出品しても落札しても手数料が必要となります。落札者の方が多く支払うシステムとなっていますので、このような料金システムになっているようですね。
安く落札できたとしても「成約料」+「落札料」が必要ですので、手数料として1万円程度高くなることを見越して購入しなくてはいけないということですね。
JBAで出品されているバイクの品質について
JBAは比較的規模が大きいオークションですので、車両の状態にバラ付きがあるのは否めません。
ただし大規模なオークションだけあり、出品されるバイクの検査基準もきっちり項目、システム化されているのも事実です。
検査内容が要約されたリストを見てみると、かなり細かくチェックされているのがわかります。
また、車両の総合評価も10段階に分けられていますので、たくさん出品されているバイクの中から、「評価〇〇以上のもの」と条件を付けて探せば、「思っていたよりも品質が悪かった」なんてトラブルになりにくいでしょう。
ほかにもJBAでは、ストックヤードに検査されたバイクが展示されます。現車を確認したい人は会場に足を運べば細部まで確認することができますね。
ちなみにバイクの現車確認ができるのは、オークション当日と前日、前々日となっています。
JBAで取引されるバイクの流れ
実際にJBAで流通するバイクの流れについて見ていきましょう。
会場によって若干の違いがありますが、基本的には次のようになっています。
- 出品者が会場にバイクを搬入して出品手続きをする
- 検査員が出品されるバイクを検査し、評価点を決める
- 出品者が最低落札価格を決定する
- 購入者が現車や評価点、画像から状態を確認して落札する
- 会場のオークションシステムで入札する
- 落札したら期日までに落札料金と手数料を振り込む
- 落札者がバイクを引き上げる、もしくは搬送してもらう
- 出品者はJBAから手数料を引いた落札費用を受け取る
ちなみにバイクの入札には予約入札もありますので、オークションが始まってお目当てのバイクが流れてくるまで会場にいないといけないわけではありません。
JBA以外のバイク業者専用オークション
冒頭でもご紹介しましたが、JBA以外にもバイクオークションがあります。
- BDS
- アライオートオークション(荒井商事)
- i-moto-auc(オークネット)
出品・落札に関しての流れは大きく変わりませんが、出品されるバイクの量や種類、システムが異なりますので、それぞれの特徴も知っておきましょう。
BDS
BDSは日本最大級のバイクオークションで、千葉県柏市・大阪府堺市・福岡県太宰府市の3会場で毎週開催されています。
国内4メーカーはもちろん、外車や旧車、希少車まで、あらゆる種類や排気量のバイクが揃っています。
特に規模が大きい柏市の会場は、敷地面積が東京ドーム約2.5個分、最大で5,000台のバイクが収容できる施設となっています。
出品台数は毎週約3,700〜4,200台となっており、会員数も約5,000店にも及びます。
また、BDSは価格の相場は高めですが、その分程度の良いバイクが多い特徴があります。
入会条件も「設立2年以上の店舗のある会社」となっており、出品に関してもそのバイクの出所がきちんと明記されているのはもちろん、メーター改ざん車両や、盗難車出ないかも厳しくチェックされています。
さらに部品取り車専用の「蚤の市オークション」や、パーツ専門オークション「サイバーオークション」なども開催されています。
アライオートオークション(荒井商事)
バイク専用のオークション業者ではなく、車やトラック、建設機械なども取引されるオークション業車となります。
バイクが取引されている主な会場は、神奈川県川崎市と福岡県古賀市の2カ所となっています。また、愛知や神戸にはヤード展開されているため、比較的利用しやすいオークションとなっています。
出品台数の規模は川崎会場で週800〜1,200台、福岡会場で250〜600台となっています。
大抵の場合はバイクのオークションと同時に車のオークションも開催されますので、両方の取引がある業者とって非常に便利ですね。
i-moto-auc(オークネット)
東京都港区に本社を構えるオークション業者で、オークション会場を持たないシステムを採用しています。
オークションに出品する人は、店頭から写真や必要なデータを送るだけで出品可能。
会場を持たずそのままオークションに出品できるため、仕入れと業販の手間が必要ありません。比較的安く購入できることも多いようですね。
また、気軽に出品できるため、会員数は4,000社以上にも登り、出品台数の規模は毎週1,000台となっています。
オークション以外にも、24時間365日利用できる共有在庫市場「モトバザール」を展開しており、在庫数は約5,000台という規模にもなっています。
まとめ
大規模なバイク業者であれば、お店でお客さんからバイクを買い取ってそのまま店頭で販売することができます。
しかし個人で経営しているバイク修理業者や販売店などは、販売するバイクを仕入れるために業者オークションを利用することも少なくありません。
また、このような業者オークションがあるおかげで、その場所で需要が無いバイクでも、セリにかければ、他で必要とされているところに流通させる事ができます。
そのため、中古バイクの価値は業者オークションによって守られていると言っても過言ではありません。
その中でも最近特に規模が大きくなってきているJBAは、リアルネットオークションと呼ばれるシステムにより、利用者が使いやすいオークションでもあります。
今度さらにこのようなシステムが普及すれば、より多くの中古バイクが適性な価格で必要とされる場所に流通させられますので、今後も期待できるオークションである事は間違いありませんね。