【バイク漫画】キリンはどんな漫画?ストーリーや登場バイクを解説します!
バイク好きなら「キリン」という言葉を聞いたらピンとくる人も多いのではないでしょうか?
ほとんどの漫画は、才能あふれる主人公が成長しながら大きな目標を達成するような内容が多くなっていますが、キリンに登場する主人公はなんと39歳。
こんなに渋い男が主人公の漫画なんて、他に探してもなかなか見つからないのではないでしょうか?
「キリン」と聞くと、何ともかわいい名前と思うかもしれませんが、実は深い意味が込められているのです。
「車社会」が確立された中、むき出しのままアスファルト上を駆け抜ける「バイク」は、大自然で赤子を奪われたキリンのように、何もできない立場にいます。
しかもちょっとした車の影響によって、あっという間に生死を分ける危険にだって遭遇するほど脆い存在。そんな中で生き抜く主人公が、サバンナの「キリン」から連想し、「キリン」と名乗っていることが由来となっています。
今回は、バイク漫画でありながら人生のバイブル的な漫画、キリンについて詳しく解説していきます!
バイク漫画:キリン本作は4部に分けられる
キリンの原作は単行本全39巻の超大作ですが、内容は大きく分けると4部に分けることができます。
1シリーズのボリューム感は以下のようになっています。
- 「POINT OF NO RETURN!」編・・・1〜4巻
- 「The Horizontal Grays」編・・・5〜18巻
- 「RUN THE HAZARD」編・・・19〜35巻
- 「WONDER NET WANDER」編・・・36〜39巻
中でも1番有名な作品「POINT OF NO RETURN!」は、主人公キリンの愛車であるカタナとポルシェが東名高速で名バトルを繰り広げます。
また、シリーズによって登場人物が大きく異なるため、一見すると全く違う話のようにも見えますが、読み進めていくうちに要所ごとに話がつながっていると気付くはず。
そのため途中からでなく、できれば1巻から順に読み進めていく方がいいとも考えられますね。
それでは各シリーズの内容を見ていきましょう!
「POINT OF NO RETURN!」編
主人公のキリンは38歳の中年で、広告代理店に勤めています。平凡でそれなりの人生を送っていたハズが、趣味だったバイクによって彼の人生は大きく変わることに。
妻にバイクに乗る事を咎められながらも、ひそかに逆輸入車であるスズキGSX1100Sカタナを購入し、公道でありながら200km/hの速度に魅了されていきます。
しかし高速道路を走行中、追い越し車線でメルセデスベンツ500と追突してしまい、彼は生死の境をさまよう事になってしまいます。
無事に生還を果たすも、とうとう妻に見限られて離婚。さらに長期入院によって仕事も失い、彼は人生における大きな転換期を迎えます。
運良く中小広告代理店に役員待遇で雇ってもらうことができたキリンは、仕事をすることで今までのことを忘れようとしていましたが、どこか満たされない日々に退屈を感じていました。
そして再びバイクに乗り始め、大きなきっかけもなく突如として始まったレースで、走る事のスリルを思い出してしまいます。
いつの間にか速度を上げる事に夢中になっていたキリン。公道でポルシェを見つけては勝負を挑み続けるのです。
最後はポルシェを追い越し勝利をおさめるも、相手が料金所にてスピードを落としただけで「試合には勝ったが勝負には負けた」と、苦いモノを感じてしまいます。
その後、一旦はカタナを知人に売ってしまいますが、走り慣れたバイクであるため再び買い戻し、仕事相手であるマルタケ不動産社員の橋本が乗るポルシェ911に挑む事になります。
やがてそれが「キリン」と呼ばれる走り屋の誕生となる事を、本人は気付いていませんでした。
「The Horizontal Grays」編
1編のようにキリンが主人公の内容ではなく、1編の中に登場したモヒとチョースケ、峠の走り屋チームのメンバーだったマサキらが中心のエピソードとなります。
レーシングチームである「むてきんぐ」に所属し、地元の峠で最速を誇る「ナンバー01」を持ち、峠の最高の走り屋として愛車RGV250rと共に駆けていたマサキ。
行きつけの喫茶店「ランブル」を経営するマスターと、彼の親友であるチョースケは「バーン・ストーム・トゥルップス」のメンバーでした。
そしてそんな2人とレースをして知り合ったコージ。チョースケとコージはマサキにとってかけがえのない仲間でした。
共に走る仲間と毎日を過ごしていましたが、穏やかな日々は突如として終わってしまいます。
首都高にてスカイラインGT-Rで結成されたチーム「モルフェス」とバトルをする事になったチョースケ。しかしバトルの途中で愛車を全損燃失させてしまう事故を起こしてしまいます。
さらに入院をするも完治しないまま退院し、モルフェスに再戦を挑みます。無謀な挑戦をしてしまったチョースケは、300km/h以上のスピードバトルの中、大型トラックと接触してこの世を去ってしまいます。
チョースケから走り屋であるキリンのことを伝えられ、最速の世界へと挑む厳しい現実を突きつけられるも、速さを求めて走ることへの情念を捨てられないマサキ。チョースケの死を報いるためにさらなる速度を求め、キリンへと挑む事になります。
「RUN THE HAZARD」編
「ガルーダ編」ともいわれる本編は、様々なバイクチーム間の抗争を描いています。
「キリン」が残した青いカタナを手に入れた「若きキリン」。しかしそれは危険なバイク集団であるバイクチーム「ガルーダ」を率いるカシラとの、長く続く破滅への確執の始まりでもありました。
そしてキリンをめぐるチーム同士の争いは、40年以上続く老舗バイクチームである「グリフォン」や、キリンとの確執がある「バーンストーム・トゥルップス」を巻き込んでいきます。
やがてガルーダは見境なしに各チームを襲撃開始。「デビルドッグス」などの弱小であっても、悪名を轟かそうとするもに対しては容赦しません。
しかしカシラの暴走により、やがてガルーダは内紛を引き起こし、幹部同士の潰し合いが起きてしまいます。親しい仲間が突然反逆し始め、キリンにも勝てずどんどん権威を失っていくカシラ。
カツラは「かつてはキリンのように、どこかで何者にも捕らわれず、己の意志で走る姿に憧れていたはずなのに」と、失うものの大きさを知っていき、やがて彼の作ったチームはバラバラになり始めます。
最後は「失うものは無い」と青いカタナに乗る若きキリンに正面から挑むカシラ。その時キリンはどう応えるのかが大きな見どころです。
「WONDER NET WANDER」編
このシリーズは、これまでキリンの象徴であったカタナが登場せず、今までとは全く異なる内容となっています。
主人公である琴吹凛は、カワサキ 750SSマッハIV (H2)に乗っており、本人は3人目のキリンとなることを知らずに過ごしていました。
そして両親が経営している老舗のバイク店である琴吹輪業をめぐり、将来を見つめていくストーリーでもあります。
父、祖父、親子3代で乗り継がれている750SSマッハIV (H2)に乗り、父親譲りの親子3代伝来のライディングテクニックを持っています。
凛は追いかけてくる白バイから軽々逃げたりと、幼さを残しながらもスリルを楽しみ、純粋に走る事を楽しんでいました。
また、最初は癖のあるマッハの扱いに困惑していた凛も、次第に乗りこなせば速く走ることができるマッハに惹かれていき、いつしか見事に乗りこなすようになります。
そしてある時、祖父の琴吹凛蔵から「走り屋の真似を止めて琴吹輪業を継いでほしい」と懇願されるのです。
このことをきっかけに凛は将来と向き合い始めます。しかし凛は今までの古臭い店を継ぐ気はないからと、家業に関してはおろそかでした。
それもそのはず。凛は琴吹輪業を経営する父親と、ヤクザとのいざこざなどの日常を間近に見て育ったせいで、家業を継ぐことへの抵抗感があったのです。
晴れぬ気持ちの中、己の人生を見つめようとマッハと共に一人旅へ。道中は多くの人と知り合い、次第に自分の中で答えを見つけ始めていきます。最後に彼女はどのような決断をするのでしょうか?
バイク漫画:キリンの主な登場人物
キリンには語り尽くせないほどのたくさんの人物が登場します。特に作者の東本昌平氏が描く人間はかなりリアルでクセのある人物ばかり。
ここでは、作中の中でも特に主要な登場人物をご紹介していきます。
キリン
1編での初登場では38歳で、広告代理店に勤めています。ポルシェを見つけては公道バトルを挑み続けるほどのこだわりようで、ポルシェのことを「デカ尻女」と呼んでいます。
公道バトルで転倒し、背骨を骨折するも懸命なリハビリにより再びバイクに乗れるようになりますが、このことがきっかけに職を失い、呆れられた妻と離婚してしまいます。
その後は再び広告代理店に就職し、人並み以上の給料を得て平凡な毎日を送っていました。
しかし一回り若い中村と出会ったことで再びバイクへの想いが湧き上がり、取引先で務める橋本がポルシェ乗りと知って東名高速でのバトルを持ちかけます。
バトルではポルシェを抜き去ることに成功しましたが、突如襲ったギア抜けトラブルによりガードレールからダイブ。落ちた先が海だったため、奇跡的に大きなケガなく生還します。
初代キリンとして、他の登場人物から憧れの存在で、本人は決して本名を名乗らず「キリン」と名乗ります。
そして後に伝説の公道ライダー「キリン」という名前が語り継がれていくことになります。
橋本
キリンの勤める会社の取引先にあたる不動産会社に勤める男性で、いくつものポルシェを乗り継いでいます。仕事上は物腰が低い紳士的な人物だが、車に乗ると性格は一変。
キリンに持ちかけられて公道バトルを行なった理由は、バイクに対して軽蔑の感情を抱いているからでもあったようです。
キリンとのバトルの前には都内を160km/hで走り、最高のバトル相手だと思わせます。チョースケが峠でバトルし、転倒した時のポルシェの相手が橋本だったかどうかは不明とも言われています。
モヒ
「バーンストーム・トゥルップス」のオリジナルメンバーで、4シリーズ中3シリーズに渡って登場する唯一の人物です。
モヒカン頭にオリジナル塗装のヘルメットが特徴的で、愛車はホンダのCB1100Rとなっています。
1編では「おもしろそう」という理由からキリンと橋本のバトルに乱入し、一時は先頭をリードします。しかし最後はエンジンブローによってリタイヤしますが、この後先行するキリンがガードレールから落下するのを目撃します。
2編で登場するモヒは所有するGPZ900Rをマサキに譲り、当時最強とも言われたカワサキのZZR1100Cに乗ります。
見た目はかなり厳ついものの、喫茶店の近所に住む中学生に人生指南をしたり、家事の時は近所の様子を見て回るなど、普通の大人のような振る舞いもしています。
チョースケ
1編と2編で登場し、黒いヘルメットに3本のイエローラインがトレードマーです。1編ではGPZ900Rに乗って登場し、中年のキリンとは対照的な存在として描かれています。
若さゆえ、キリンに対して何かと突っかかるなど、エネルギッシュなイメージで、キリンとともにポルシェにバトルを仕掛けることもあります。
しかし高速コーナーをドリフトしながら走るポルシェにつられて転倒し、バイクを全損してしまいます。
しかし懲りずにキリンと同じ速さを証明したいため、バイクチーム員が所有しているカタナと自分のバイクを交換。
やがてキリンと橋本のバトルを目撃し、ついていこうと自走しますが、当時のカタナは高速走行でのチャタリングやブレーキの弱さなど、信じられないほど基本性能が弱いバイクだということを痛感するのです。
そんなバイクを乗りこなすキリンの腕をようやく認め、2編ではマサキに自らの体験を語る人物となります。
中村
1編で登場する24歳のOLで、キリンとバーで知り合い、好意を持ちます。
キリンがバイクでポルシェに挑むという無謀な挑戦をやめない理由を知るために、自身もバイク免許の取得にチャレンジするほどの行動派です。
愛車はホンダ VFR400R。普通免許で乗れる上限ギリギリである400ccのバイクに乗っているのも彼女の凄いところですね。
マサキ
2編の「The Horizontal Grays」で登場する人物で、走り屋チームである「むてきんぐ」に所属しています。しかもナンバーは最速の称号01を付けています。高校は2年の始業式の時に退学しており、バイク便の仕事をして生活しています。
愛車はRGV250rでしたが、地元の峠で勝負したバイクとの力量の違いに圧倒され、大型免許を取得。そして仲間のモヒからGPZ900を譲り受けることになります。
琴吹 凛
3代目のキリンと呼ばれる人物で、4編「WONDER NET WONDER」から登場する女性。実家は代々続く琴吹輪業の3代目で、バイクのライディングテクニックはかなりのものです。
親と暮らすのを嫌っていたのか、若き日はお店の前の廃バスで生活しており、最初は自分のバイクさえも所有していませんでした。
しかし祖父から受け継がれる青い750SS(H2)マッハを譲ってもらい、徐々に乗りこなすようになっていきます。
そしてマッハを乗りこなしたところで父親から琴吹輪業を継いで欲しいと言われるも、当初は激しく拒否していました。
そしてふと自分の将来を考えたときに、街を出ようと家出を始めます。
旅先では様々な人物に出会い、影響を受けながら自分の人生について見つめ直し、最後は家業を継ぐことを決心。
バイク漫画:キリンに登場する代表的なバイク
本作の作者である東本昌平氏が描くバイクのリアリティはかなり高く、まるで写真を眺めているかのよう。
それもそのはず、東本昌平氏はイラストレーターとしても有名で、現在でも「RIDE」と呼ばれる短編集を発行し続けています。
水彩画で描かれたような超リアルなバイクが載っている表紙は、書店のバイク・車雑誌コーナーで1度は見たことがある人も多いはず。
そこでキリンに登場する代表的なバイクについてご紹介していきます!
GSX1100Sカタナ
主人公のキリンが所有しているバイクで、「カタナ」という愛称で呼ばれることが多いようです。
小さなハーフカウルと、ヘッドライトの先端が尖っている形状が特徴的なバイクで、日本刀のようなデザインとしても人気がありました。
しかも海外のバイクと見比べても似たようなデザインのバイクは存在していませんでしたので、1981年にヨーロッパに向け輸出された時は爆発的なヒットを記録しました。
また、最高速が200km/h出るバイクとして、当時のバイク乗りの間で衝撃的な1台となったのも有名な話。
本作中に登場するカタナも古いバイクとして紹介されており、「POINT OF NO RETURN!」編でチョースケのGPZ900Rと交換した際に、古いバイクのポテンシャルに衝撃を受けていました。
作者も当時最速モデルであったGPZ900Rではなく、カタナという渋いバイクにしたというのは、敗れしものの美学があったからなんだそうです。
主人公のキリンが選んだバイクは、決して最速のバイクではなく、最速と呼ばれるバイクに立ち向かっていく旧世代バイクだったようですね。
さらに純正でセパハン仕様という、当時の非合法アイテムが標準装備されていたバイクというのもまた決め手になったそうです。
決して優等生ではなく、去りゆく時代に抗って存在し続ける姿のバイク。そう考えると、やはりキリンのバイクはカタナ以外には考えられませんね!
GPZ900R Ninja
カワサキのGPZ900Rは、キリンの中でも最も登場回数が多いバイクでもあります。
この時代のバイクは空冷エンジンが非常に多くなっていますが、GPZ900Rは水冷エンジンの先駆けとも言えるバイクでした。
しかもカタナより数年後に誕生し、排気量も200ccほど小さいものの、最高速度時速250km/h以上を叩き出します。当時の新しいバイクの象徴としても有名だったようですね。
また、この型のGPZ900Rはトム・クルーズ主演の映画「トップガン」内でも登場しましたので、世界中にファンがいます。
しかし車体は大柄で、アメリカ人であればちょうどいいポジションとなるかもしれませんが、日本人にとっては中途半端に大きいバイクでもありました。
フレームも弱く、エンジンの低速トルクも少ないと、あらを探せばキリがないバイクなのですが、手間がかかる方が可愛いいとも言えるのか、反対に手放す人は少なかったようですね。
その他にも、販売直後の当時は「Ninja」というブランを掲げているだけでかなりのステータスでしたので「手がかかるバイクだけどお金があれば欲しいバイク」として人気がありました。
RGV250r
スズキの2ストロークレーサーレプリカで、当時の世界選手権に参戦していたワークスバイクRGV250のノウハウをふんだんに盛り込んだバイクです。
フルカウルのレーサーレプリカでありながら車体サイズは比較的コンパクトで、小柄な人でも足つき性が抜群。日本人体型に適したポジションであることも人気の理由でした。
ただし、あくまで速さを求めて開発されたバイクであるため、シートが薄く、長時間のライディングはかなり辛いバイクでもありました。
また、超高回転よりのセッティングが施されたV型エンジンは、輸出仕様であれば65馬力を発揮します。ちなみにこのエンジンを搭載しているアプリリア「RS250」は、世界最強の2ストロークエンジンのバイクとして有名です。
低速トルクはスカスカですが、一度パワーバンドに入ると、これまでのダルさが嘘のような鬼加速を発揮します。甲高いエンジン音と流れるような視界から、脳内の処理が追いつかないなんて言われているほどです。
販売から30年以上経過したため、部品の調達が困難ですが、2ストロークの250ccバイクの中ではかなりの人気が高く、走り好きのバイクファンからは一目置かれる存在となっています。
CB1100R
当時のホンダのブランドイメージを象徴するかのようなデザイン・エンジンサウンドのバイクとして有名です。それもそのはず、CB1100Rは開発段階から世界最高のパフォーマンスを意識して作られていましましたからね!
印象的なのは、何と言っても大型のアッパーカウルとシートカウル。赤と白の2トーンカラーは目につくだけでホンダと気付くほどです。
また、乾燥重量が235kgとは思えないほどハンドリングが軽く胃ことでも有名です。その理由は、レスポンス重視よりも操作性が良い味付けが施されているエンジンの採用があるからです。
大型バイクに慣れていない人でも容易に扱えるバイクとして注目されていました。
さらに大きな車体とカウルのおかげで、高速安定性はかなりのもの。高速道路で長時間運転しても全く疲れることはありません。
累計生産台数は5500台ほどでしたので、現代はプレミア価格がついて販売されているほど人気の名車でもあります。
750SSマッハIV (H2)
1971年にカワサキから販売されたバイクで、マッハという相性のように、当時の世界最速を目標に開発されたバイクです。
しかも当時最速のバイクといえば2ストロークバイクが主流でしたが、750SSは4ストロークエンジンとして登場しました。
さらにこの時代は「大型バイク」と言えば、ライバル車のホンダ「CB750」の人気が圧倒的でした。しかし750SSマッハIV (H2)は、71馬力とハイパワーエンジンを搭載し、乾燥重量も192kgと世界最軽量を記録し、CB750に真っ向から立ち向かいます。
最高速度は203km/h、ゼロヨン加速は12秒と、名前の通りマッハ級の加速を誇っており、マッハを操るライダーこそ「カワサキ乗り」としての象徴でもありました。「最速」カワサキが登場した瞬間でもありまね!
バイク漫画:キリンの名シーン
キリンという漫画には、登場人物それぞれが持っている人生観があり、作中にも様々な名言が登場します。どのセリフもバイク乗りからすると、かなり共感する内容となっています。
例えば、「こっち側と向こう側」や、「チャック・チャック・イエーガー」などは有名なセリフではないでしょうか?
「こっち側と向こう側」というのは、「こっち側」とはバイクに乗る人、「向こう側」はバイクに乗らない人のことを指します。確かにバイクに乗る人と乗らない人の間では通じる部分が異なることもありますからね。
また、「チャック・チャック・イエーガー」は、「The Horizontal Grays」編によく登場するフレーズで有名です。
もとは人生で初めて音速を超えた人物「チャック・イエーガー」からできたみたいで、登場人物のモヒが困ったときによく唱えています。
「絶望」という言葉を使えば立ち直れなくなるため、代わりにこの言葉を唱えると良いと、老人のバイク乗りに教えられたと紹介されています。
見た目とは裏腹に律儀なモヒはずっと守っています。キリンが流行った当時、実際のバイク乗りの間でも漫画内の名台詞が流行ったため、バイク好きであればどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
バイク漫画:キリンは実写映画化もされている
人気漫画の一つの基準といえば、実写映画化されるかどうかではないでしょうか?もちろんキリンも2011年に実写映画化されています。
内容は1編の「POINT OF NO RETURN!」のストーリーとなり、公道で繰り広げられるポルシェ911とのバトルや、バイク同士のバトルシーンなども、実際に走りながら撮影されています。
主演は真木蔵人氏が務め、落ち着いた中年男性のキリンを見事に演じていますので、漫画のイメージがある人でも違和感なく楽しめる作品です。
また、様々なカスタムバイクも登場するため、バイク好きはもちろん、この映画をきっかけにバイクに興味が湧く人もたくさんいたのではないでしょうか?
まとめ
キリンはバイク漫画であるものの、登場人物の生き方や人生観が深く突き刺さる作品で、読み返せば読み返すほど味わい深い漫画でもあります。
様々なストーリーは、幅広い世代の登場人物の背景も描かれているため、無意識に自分と照らし合わせてしまうことも少なくありません。
ポルシェとバイクがバトルしたり、様々なバイクがバトルする姿は、もちろんバイク漫画としても楽しめますが、むしろ大人やバイクに乗らない人にも読んでもらいたい「人生の教科書」として、一度は読んで欲しい漫画とも言えるでしょう!
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