トライクを運転するなら普通自動車免許が必要!3輪バイクとの違いを解説
タイヤが3つ付いたトライクという乗り物は、一見バイクのようにもサイドカーのようにも見えますが、果たしてどのようにすれば運転できるのか気になる人も多いはずです。
バイクと車の両方の機能を兼ね揃えたようなトライクは、普通自動車の免許があれば運転することができますが、そうなると、
- 車の免許で運転できるんだったらヘルメットがいらないの?
- 公道を走るときのルール?
- トライクに乗るときに気をつけることは?
などの疑問が出てくると思います。
そこでトライクで公道を走る時に必要な免許やルールといった注意点、車体の特徴といった内容をご紹介していきます!
トライクとはタイヤが3つ付いた乗り物のこと
トライクとは、シートにまたがりバータイプのハンドルで操作するいわゆるバイクの構造から発展して3つの車輪が三角形に配置された乗り物のことをいいます。
名前の由来をたどってみると、tricycle「トライサイクル」の短縮系からtrike「トライク」と呼ばれるようになったそうです。
もともとバイクの後輪を改造した乗りものであったため、道路交通法では「3輪車」の扱いで、道路交通車両法では「側車付2輪車(サイドカー)」の分類に当てはまります。
ではタイヤが3つあるものは全てトライクになるのかと言うと必ずしもそうではありません。
3輪バイクとトライクとの違いは車輪の幅と車体を傾けるかどうか
従来トライクは普通自動車と同じ扱いを受けていましたが、2010年の法改正によってさらに細かく条件が決められ、タイヤが3つ付いているものは二輪免許で運転することができませんでした。
しかし2010年の法改正によってさらに「3輪バイク」と「トライク」に分けることで、
- 3輪バイク・・・二輪免許が必要
- トライク・・・普通自動車免許が必要
となります。
さらにトライクと呼ばれるには以下の条件に当てはまる必要があります。
- 3個の車輪を持ち、車輪が左右対称に配置されている
- 車輪の幅は460mm以上ある
上記の条件を満たしているものはトライクに分類されますので、簡単にいうと車輪の幅が460mm未満であれば3輪バイクになるということになりますね。
しかし、車輪の幅は460mm以上ある全てのものはトライクに分類されるのかと言うと、そうでもなく「車輪および車体の一部、車体の全体が傾いて旋回する」という条件を満たしているとサイズに関係なく3輪バイクに分類されます。
傾いて旋回すると基本性能はバイクと変わらないということですので、二輪免許が必要ということですね!
普通自動車免許で運転できるトライクはミッション付きであればMT(マニュアル)免許が必要
普通自動車免許で運転できるトライクでも、エンジンや車体の構造はバイクと変わらないことが多いため、変速機構がマニュアルミッションのトライクも少なくありません。
そのため、もしマニュアルミッションのトライクを運転したいのならMT(マニュアル)免許が必要です。反対に、スクーターベースのトライクなど変速機構がオートマであればAT(オートマ)限定免許で運転することができます。
ただし、トライクの運転は排気量の制限がないため、もともと大型バイクの乗りたいけど大型免許をとる時間がない人や、転倒が心配で大きなバイクに乗れない人にとってトライクは大きな魅力ですね!
トライクは免許区分が自動車であるためヘルメットは必要ない
見た目がバイクのようなトライクの免許区分はあくまで自動車のためヘルメットの装着義務はありません。そのためちょっと買い物に行きたい時にも役立つ乗り物でもあります。
とはいっても高速道路や幹線道路などを走るとかなりの走行風や排気ガス、飛び石などの機関があるため、できればヘルメットを着用しておいた方がいいでしょう。
トライクの制限速度も普通自動車と同じ時速60km/h
トライクの制限速度は全て同じではなく排気量によって異なります。
一般的に排気量が50cc以上のトライクは時速60km/hとなり、排気量が50cc以下の原動機付き自転車の区分だと法定速度は時速30km/hとなります。
そのためヘルメットを着用しなくても良いトライクであっても一般的な車両と同じような法定速度になるということになりますので、自分が乗るトライクの制限速度を確認するときは排気量で判断しましょう。
トライクであれば排気量50cc以上でも高速道路が走れる
トライクは排気量が50cc以上であれば「側車付軽二輪」、250cc以上の排気量であれば「側車付オートバイ」と分類されますので、どちらも二人乗りができます。
しかもトライクの基準を満たしていれば排気量が50cc以上であれば高速道路を走っても法律上問題はありません。
ただし高速道路を走るためには最低速度が決められているため、排気量があまりにも小さいエンジンだとトライクの重い車体でスピードを出すことができないので注意が必要です。
ちなみに高速道路の最低速度は基本的には時速50km/hとなっていますが、標識によっては最低速度に指定がある区間もありますので、最低でも時速80km/hくらいのスピードは出るようなトライクに乗りたいですね。
普通免許でも手軽に乗れるトライクの3つの特徴
普通免許でもヘルメットを着用せず乗れるトライクは屋根がないため雨が降った時には不便ですが、それ以上に維持費も安くバイクのように風を切って走ることができるなどのメリットもあります。
特に車やバイク中間的な位置付けのトライクの特徴は以下の3つに分けられます。
- タイヤが3つあるため簡単に転倒しない
- 車体が大きく小回りできないか安定感がある
- 50cc以上であれば2人乗りもできる
1.タイヤが3つあるため簡単に転倒しない
トライクはタイヤが3つあり、重心も低いため、どちらかといえば車のような感覚で走ることができます。
特にフロントタイヤが2本ある「リバーストライク」と呼ばれるタイプはスピードが出ていてもコーナリングで安定します。
さらにトライクは車体を傾けずにコーナリングできるため、濡れている路面で大きな安定感を発揮しますので、バイクを乗っている時に注意しなければいけない転倒の心配がありません。
2.車体が大きく小回りできないが安定感がある
トライクの車体は基本的にサイドカーのように横幅がありますので、バイクと違って細い路地では小回りができないというネガティブなポイントがあります。
しかし車体の重心が低く2列に並ぶタイヤも自動車並みの太さであるため、どっしりとした安定感があります。
そのためワインディングロードや高速道路などを走行すると、かなり気持ち良く走り抜けることができるでしょう。
また、大きな車体でもしっかり停止できるようにブレーキも強化されていたり、ABSも装着されているため「減速時にしっかり止まれるのか?」などの不安もありません。
3.50cc以上であれば2人乗りもできる
トライクはエンジンの排気量が50cc以上あれば2人乗りが可能です。しかも2人乗りのまま高速道路も走ることができるため、ロングツーリングにも向いています。
バイクの2人乗りで後ろに乗る人は車体が傾くため、慣れていなければかなり不安を感じるでしょう。
しかしトライクであれば後輪が2つのタイプが多いため、コーナリング中でも傾くことなく曲がれますので、タンデムシートに座っている人はかなりの安定感を得られるでしょう。
免許以外にトライクに乗る前に注意したいところ
車やバイクとも違った独特な操作が必要なトライクは、ご紹介したように道路交通法上では普通自動車免許で運転できる乗り物のため、いざ乗る時は教習所で練習せずにぶっつけ本番となります。
そのため公道を走る前にある程度練習して運転に慣れておく必要があります。
またトライクはヘルメットを着用する義務はありませんが、いくらタイヤが3つあるからといっても万が一曲がりきれずに急ハンドルを切ったり、中ブレーキをかけたりすれば転倒の危険が出てきます。
さらにトライクはシートベルトも無いため、事故を起こせば体が投げ飛ばされることも考えられます。
その上走行中は前方を走行している車からの飛び石や、飛んでくる虫などとぶつかったりと危険を伴うのも事実です。
そのためできればトライクに乗るときはヘルメットやグローブ、プロテクターなどといったバイクと同等の装備を着用することをおすすめします。
近年ではバイクの乗車中に体が投げ飛ばされても身体や首回りを守るエアバッグ付きベストも販売されているため、着用すればより一層安全を確保できるでしょう。
それ以外にもトライクのサイズはイメージしているよりも大きいことが多く、自宅の車庫入らないなんてこともよく聞きますので、購入前に駐車場のスペースを確認しておくことも忘れずにしましょう。
普通免許を持っていたら乗りたいおすすめのトライク
通常バイクであれば400cc以上の排気量は「大型二輪免許」が必要ですが、トライクであれば排気量に関係なく「普通自動車免許」で運転できます。
そのため、トライクであればハーレーなどの大きなバイクに乗ることも夢ではありせんね!
そこで、見た目もカッコよく、運転も楽しめるおすすめのトライクをご紹介します。
Can-Am SPYDER F3
引用https://jp.brp.com/content/canam-spyder/ja_JP/2018-models/sport-cruising/spyder-f3-s.html
カナダのスノーモービルや水上バイクで世界トップシェアを誇るボンバルディア・レクリエーショナル・プロダクツ社から販売されているSPYDER F3はフロントタイヤが2本のリバーストライクです。
1330ccの直列3気筒のエンジンを載せながら車重は386キロと、1.3Lクラスのコンパクトカーと比べると約3分の1程度の車重のためかなりの加速力があります。
しかもフロントタイヤ2本とエンジンがフロント配置であるため、安定感も抜群でトライク初心者でもすぐに乗りこなすことができる完成度となっています。
さらにSPYDER F3右足のフットブレーキのみでブレーキを操作するという特徴があります。そのためバイク感覚で運転するとハンドルにブレーキレバーが付いていないためにかなり焦ることにもなりかねないため、公道を走る時には操作を身体に染み込ませておいたほうがいいでしょう。
価格は237万円からとトライクにしてはかなり高めですが、乗用車並みの快適度でバイクのように風を切って楽しめるバイクとしては申し分ない1台とも言えるでしょう。
HARLEY-DAVIDSON Tri Glide Ultra
あのハーレーダビッドソンからもトライク専用車両が販売されています。
伝統のVツインエンジンは1745ccの排気量で圧倒的なパワーを誇ります。車重の方も507キロとかなりの重量感で、後ろのタイヤ2本から強烈な加速力を発揮させます。
ただしフロント部分はバイクと変わらないため、コーナリングはしっかりと曲げる動作が必要となりますので、くれぐれも飛ばしすぎないように注意しましょう。
価格の方も450万円以上と豪華ですが、誰もが憧れるハーレーのトライクはかなり珍しく、注目されること間違いありませんね!
マジェスティトライク
引用https://www.goobike.com/spread/8503091B30170718002/index.html?disp_ord=8)
ヤマハから販売されていたビッグスクーターでもあるマジェスティをカスタムショップがトライクに改造して販売したものとなります。
現在はマジェスティ自体生産終了しているため、中古のマジェスティ改造して販売されていることがほとんどです。
スクーターベースのトライクはAT(オートマ)限定免許でも乗れるため人気があります。
程度も良いもので価格の相場は50万円ほどからかなり現実的なのも魅力的ですね!
運転のしやすさや維持費を考えると250ccのトライクがおすすめ
トライクといっても排気量や車体の大きさも様々ですが、排気量によって運転のしやすさや維持費がかなり違ってきます。
そんな中でおすすめなのは250ccクラスのトライクとなります。
なぜなら、250ccまでは車検が不要で維持費が安く、ハーレーなどの大排気量と比べて税金も安いというメリットがあります。
さらに250ccクラスの排気量であれば高速道でもストレスなく走ることもでき、車体の大きさ的にも小回りが効く大きさとも考えられます。
250cc以下のトライクの維持費の目安
- 自動車税・・・2,400円(1年間)
- 重量税・・・4,900円(初回登録時のみ)
- 自賠責保険・・・14,290円(24か月)
250cc超のトライクの維持費の目安
- 自動車税・・・4,000円(1年間)
- 重量税・・・3,800円(2年)※車検ごとに納める
- 自賠責保険・・・13,640円(24か月)
※車検が必要
まとめ
トライクであれば普通自動車の免許があれば運転することができます。
しかしほとんどのトライクはバイクがベースとなっています。もちろんオートマであればAT限定免許で乗ることもできますが、ほとんどのトライクはマニュアルミッションですので、その場合はMT免許が必要になります。
また、トライクは排気量が大きくても大型免許が必要ということではありませんので、ビッグバイクに乗ってみたけど大型免許がないという人にもおすすめできます。
さらにヘルメットが必要無かったり、2人乗りで高速道路も走ることができるためツーリングやレジャーにもぴったりな1台となること間違いなしですね。
ただしいくらヘルメットがいらないからといっても生身のままトライクに乗れば様々なリスクがあるため、できればバイクに乗る時と同じくらいの装備品で運転しましょう。
自動車免許を持っている人は車とバイクの良いとこ取りしたトライクをぜひ一度は乗ってみてはいかがでしょうか?
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