ネイキッドバイクのおすすめバイク16選!
バイクの数あるジャンルの中でも、「ネイキッド」というジャンルは独自の立ち位置を築き上げた不変の魅力を持つジャンルです。
金属が持つ無機質なメタル感に加え、エンジン・フレームがむき出しになることで生まれる鉄の塊感は、男らしい硬派な雰囲気とスパルタンな魅力に満ち溢れています。
時代の流行廃りに左右されないこの感じこそ、ネイキッドバイクだけがまとうことを許されたオーラと言ってもよいでしょう。
今回は、時代を超えて愛される伝説の名車から、今日現在でも手軽に購入することが出来る現行モデルの中から選りすぐったおすすめネイキッドバイクをご紹介させて頂きたいと思います。
硬派なネイキッドにかけては世界一! おすすめネイキッドバイク・カワサキ編
世界最速のハイパフォーマンスマシン「Ninja1000H2R(ニンジャ1000H2R)」を筆頭に、数多くの名車を輩出してきた川崎重工。
ネイキッドバイクというジャンルにおいては他のメーカーの追随を許さないほどで、その時代における憧れの名車揃いとなっております。
今日現在まで語り継がれる伝説の名車や、ビジュアル性と高性能を両立した優れた設計能力は、今日でも世界一を誇れるほど見事なものと言えるでしょう。
まずはネイキッドバイクの何たるかを知り尽くした王者・カワサキ製ネイキッドからご紹介させて頂きます!
時代を越えて語り継がれるキング・オブ・ネイキッド! カワサキ・Z1&Z2
1972年に北米でデビューした903ccの空冷4ストローク4気筒DOHCエンジンを搭載した「カワサキ Z1(及びZ900)」は、北米市場を強く意識した高性能と流麗なスタイリングで登場と共に大ヒットを記録しました。
「ホンダ ドリームCB750Four」により、予定より3年もの熟成期間を経て練り上げられ、最高出力82ps/8,500rpmという当時の市販車最高レベルの性能は、アメリカを中心に高い支持率を獲得しました。
その勢いそのままに、翌1973年にはボア&ストロークを変更した日本国内向けモデル「カワサキ 750RS」として発売を開始。
兄貴分・Z1同様のスタイリングを継承した750RSは、「Z2(ゼッツー・ゼットツー)」の愛称で好調なセールスを記録し、大型バイクの代名詞として日本でも高く評価されました。
こちらはZ1に比べると、最高出力69ps/9,000rpmまでパワーダウンしていますが、高回転型のエンジンはゴツゴツと骨太なエンジン音を生み出し、迫力ある走りを我が物としています。
当時の市販大型バイクで最重要視されていた車体の軽快な操作性と、シグナルGPのようにゼロスタートからの強烈な加速力を重視したエンジンは、現在のネイキッドバイクが失ってしまった男らしい荒々しさに満ちたものと言えるでしょう。
しかし、その猛獣のような荒々しさと優れたビジュアル性は、後のZシリーズに受け継がれ世界的なモデルシリーズとなっていったことは皆さんもご存知の通り。
このZ1・Z2の大活躍により、カワサキは「高性能で大型バイクに強いカワサキ」というイメージを確立し、ホンダと並ぶ知名度を獲得したとも言えます。
Z1&Z2の魅力と言えば、何と言ってもカワサキ初の4ストローク4気筒エンジンの鋭い吹け上がり・爆発的な加速力で、DOHCエンジンの持つ無限の可能性を国内外に示した見事な仕上がり具合です。
両者とも今では非常に高価な旧車の代名詞となっており、安くても100万円以上での取引が基本となっていますが、ノーマルパーツが多い車両ほどより高値での取引傾向にあります。
現在では投機の対象にされてしまうこともしばしばですが、やはりZ1・Z2の魅力は走らせてこそ。
ゴツゴツと体の芯に響くようなエンジン音と、当時最強のハイスペックさ、そしてティアドロップ型タンクから生み出されている優美なフォルムは、バイク乗りの本能に訴えかける不変の魅力があります。
ノーマルの4本出しマフラーの美しさも捨てがたいものがありますが、集合マフラーの図太い音質も病み付きになるほど魅力的ですので、所有感・満足度の面でもパーフェクト。
国内ではプレミア価格で取り扱う販売業者が多いのが現状ですが、コミュニケーション能力に自信のある方は海外オークションサイトに挑戦するのもアリです。
交渉次第では車両価格50万円程度で済むこともある上、日本では絶滅状態のフルノーマル車両を入手することも夢ではありません。
今後リセールバリューが上がることはあっても下がる恐れはほぼ皆無のため、思い立った時が買い時と言えます。
高騰化してはいますが、純正のオリジナルパーツもまだ一通り流通していますので、個人でコツコツレストアすることも十分可能です。
ハイパフォーマンスとローレプ譲りのルックス自慢! カワサキ・ZRXシリーズ
空冷エンジン搭載ネイキッドとして登場し、絶大な人気を誇っていた「ZEPHYR(ゼファー)シリーズ」に代わり、高性能を引き出しやすい水冷エンジン搭載ネイキッドとして1994年にデビューしたのが「カワサキ ZRXシリーズ」です。
1980年代の「AMAスーパーバイクシリーズ」を制したエディ・ローソンの駆った「Z1000J」を再現した限定記念モデル「Z1000R(通称ローソンレプリカ・ローレプ)」譲りのルックスを持ち、直線基調の精悍なスタイリングと大柄な車体が生み出す存在感は、登場と同時に中型二輪ライダーの心を鷲掴みにしました。
1996年末には大型クラスの「ZRX1100」の販売が開始となり、ハイスピードツアラー「ZZR1100」のエンジンをベースとしたハイスペックと、装備重量222kgと大型ネイキッドとしては軽い車体のマッチングが評価され、スポーツバイクとしても高い評価を得ることに成功。
400ccのZRXは、2008年をもって生産終了となりましたが、ZRX1100は1,200ccへのボアアップを行った「ZRX1200」、昨年2016年をもって生産終了となった「ZRX1200DAEG(ZRX1200ダエグ)」と続き、CB1300SFと並ぶ大型ネイキッドの代表格として愛され続けました。
ZRXシリーズはハイパフォーマンスマシンに強いこだわりを持つカワサキらしい作り込みがウリとなっており、1998年のマイナーチェンジ時には400ccクラス唯一の6ポットキャリパーをブレーキに採用し、「曲がる・走る・止まる」の三大要素を非常に高い水準で満たす仕様へ生まれ変わりました。
人気の高さを受けてローソンレプリカのグラフィックパターンが解禁されたこともあり、400ccクラス離れした風格と高い安定性を誇ったZRX、大排気量車の持つゆとりの低速トルクとコーナリング性能の高さをウリにしたZRX1200と、いずれも今日現在まで根強いファンに愛され続けています。
400・1100・1200と排気量を問わず、中古バイク市場でも安定した人気と流通量があり、10万円台から手を出せるお手頃感があるのもおすすめの理由のひとつ。
「Z400FX」に代表される「角Z」系のイメージを強調したカウルレス仕様の「ZRX-Ⅱ」や、ツアラー色の強いハーフカウルを装着した「ZRX1200S」といった派生モデルもあり、好みによってカスタムベース車両としても楽しめそうです。
定番のカスタムは、ローソンレプリカのイメージを大切にし、オリジナルの原型を残した「スーパーバイク仕様」が主流ですが、社外メーカーから非常に多くのカスタムパーツが販売されているため、
ありとあらゆるカスタムを楽しむことが可能です。
意外にもレトロな雰囲気のロケットカウルなどを装着しても似合うため、海外ではサイドカー仕様のカフェレーサースタイルで楽しむマニアもいるほど。
「排出ガス規制」という時代の影響を受けて生産を終えたモデルシリーズですが、その高性能ぶりと鮮烈なスタイリングは、これから先も多くのネイキッドファンに支持され、愛され続けていくことでしょう。
現在の中古バイク市場では、400ccのZRXは10~30万円前後、ZRX1100と1200は20~50万円程度、ZRX1200DAEGで60~150万円というのが相場価格となっています。
後述の「ゼファーシリーズ」のようにプレミア化することも十分予想されますので、気になる方はお手頃価格の今のうちにリザーブしておくのもおすすめです。
マンネリ化したレプリカブームに一石を投じた革命児! カワサキ・ゼファーシリーズ
過熱を続けたレーサーレプリカブームの影響により、1980年代後半はどのメーカーもほぼスペック・ルックスに変わり映えがなくなってしまい、それについていけなくなった若者層によるバイク離れが懸念される状況となった時期がありました。
そんな一種の倦バイク感が起こり始めた1989年、カワサキがその風潮に一石を投じようと送り出したのが、カウルを身にまとわないオーソドックスな作りの「ZEPHYR(ゼファー)」です。
この当時、白熱するスペック競争にブレーキをかけるため、400ccの馬力上限は53psまでとされていましたが、最高出力46psと控えめで扱いやすいパワー特性は、バイク本来の自由さを満喫できる見事なバランスだと高く評価されました。
剥き出しのフレームとエンジンが生み出すメカニカルなイメージは、「NAKED(ネイキッド)」というジャンルの確立にも繋がりました。
ゼファーの登場より以前はネイキッドというジャンル名はなく、ただ単純に「オンロードスポーツ」という曖昧なくくりとなっていましたが、現在まで続くネイキッドという人気ジャンルを確立した功績は、登場から現在まで多くのバイクファンが知るところと言えるでしょう。
発売当初は400ccモデルのみ、とされていましたが、メーカーであるカワサキの予想を遥かに上回る反響と人気により、翌1990年には「ゼファー750」が追加販売されることに。
さらに1992年にはより排気量を拡大し、豊かなパワーと低速トルクをウリとした「ゼファー1100」がラインナップに加わり、水冷エンジン搭載の「ホンダ CB1000SF」が登場するまで不動の王者として国内外を問わずファンを開拓し続けました。
もし「ゼファーシリーズ」が誕生しなければ、当時のレーサーレプリカのフルカウルでピーキーな出力性能のバイクのみが売れ、バイクファン層は激減していたと言われているほどですから、いかにゼファーシリーズの登場が劇的であったかはご想像にお任せいたします。
ティアドロップ型のタンクデザイン等は、往年の名車Z1&Z2から継承したものであり、名車を再現したビジュアル性と高性能でありながら扱いやすいパワーバランスがシリーズを通じての魅力と言えます。
記録的な大ヒットとなった車種だけに、カスタムパーツも星の数ほど存在しており、550cc用のピストンを組み込むなどカスタム手法も非常に多彩。
カリッカリのレーシングチューンから、ストリート仕様のライトカスタムまで幅広い多様性があることもおすすめ理由のひとつで、初心者からベテランまで飽きずに楽しめるのがゼファーシリーズ最大の魅力と言えるでしょう。
1996年以降は、ゼファー400の2バルブを4バルブ化し、最高出力を規制上限53psまで引き上げた「ZEPHYRχ(ゼファーχ・ゼファー カイ)」が入れ替わりで登場し、こちらは現在の旧車ブームの波に乗ってかなり高額なプレミアが乗せられた車両も多めです。
それでも入念に探せばゼファー400・ゼファーχともに20万円台前半から購入することも可能で、自分でコツコツカスタムを楽しみたい方には買い時と言えます。
中古バイク市場での目安価格は、上位グレードのゼファー750は30万円台から、ゼファー1100は50万円台といったあたりで、上はいずれも100~200万円とかなりカスタム車両が高い傾向にあります。
その反面、中古バイクとしての査定評価はノーマルが非常に高い傾向にあるため、時間をかけてコツコツ自分で仕上げていくというのが賢い選択と言えそうです。
カスタムパーツはオプションとして高く評価される傾向にありますので、長い時間をかけて自分好みの一台を仕上げていきたい、という方におすすめしたいネイキッドバイクです。
最強Zの名を現代に伝える水冷最強ネイキッド! カワサキ・Z1000ABS
4ストローク空冷4気筒DOHCエンジンを搭載したZ1&Z2という兄弟車から始まったカワサキのZシリーズは、今日現在ではハイパフォーマンスの水冷エンジンを搭載したこの「カワサキ Z1000」に受け継がれ、在りし日から続くその血脈を今に伝えています。
2014年から欧州などの海外輸出モデルとして販売を行っていましたが、今年2017年4月をもって日本での販売が解禁となり、大型ネイキッドファンの方々に好意的に受け入れられています。
「凄み(SUGOMI)」というコンセプトを掲げてモデリングされたその姿は、低い位置から獲物を狙う猛獣をイメージしたものとなっており、ローアングルにマウントされたライトが精悍さをかもし出しています。
日本国内販売にあたり、ブレンボ製ブレーキシステムとABSが標準装備化されているのが特徴のひとつで、最高出力104.5kw(142ps相当)/10,000rpmという獰猛さを制御できる安全性が保たれています。
これだけのハイパワーモデルだと、ちょっとしたことでも暴走してしまいそうなイメージが先立ってしまいますが、スムーズに回るエンジンは低回転では穏やかさの中にしっかりとしたトルクが感じられ、ピーキーで扱いにくい印象を見事に払拭しています。
その一方、7,000回転を超えてからは驚異的なエキゾースト音と共に覚醒し、背中がゾクゾクするような快感すら覚える強烈な加速力を披露。
これだけのハイスペックマシンながら乗りこなすハードルは決して高くはなく、2次バランサーの採用によってエンジンからの振動もカットされており、心地よい鼓動感を楽しみながら走らせることができる一面も持っています。
水冷エンジンが持つ潜在能力を極めて効率的に引き出し、なおかつ扱いやすいコントロール性を持たせるために採用されたF.C.C社製アシスト&スリッパークラッチは、大型ネイキッドバイクらしい程よい手応えを感じさせる好バランスと言えます。
それに加え、オーリンズ製リアサスと「SFF-BP(セパレートファンクションフォーク・ビッグピストン)」と命名されたフロントサスの恩恵は非常に大きく、ストリートからサーキット、ワインディングまで幅広く適合できる柔軟なダンパー性が備わっているのも安心ポイントのひとつ。
初動からスムーズな動きで路面からの衝撃をいなし、前後サスとも工具不要で自在に調節可能なその作りは、ベテランから初心者まで自分に適したセッティングで走る楽しさを体感することが可能です。
大型ネイキッドバイクは、「鉄の馬」といった表現がよく似合う男らしい乗り物の代表格ですが、このZ1000ABSはまさに猛獣を乗りこなす者の悦びが楽しめる一台です。
気になる新車販売価格は税抜き131万円となっていますが、その高価さに見合った高い満足度は値段がつけられないほど確かなものと言えます。
誰もが乗りこなせる親切設計がウリ! おすすめネイキッドバイク・ホンダ編
わが日本を始め、世界各国で多くのファンを獲得し世界最大の二輪メーカーとして名を馳せる「本田技研」。
「世界のHONDA」の名に恥じず、フラッグシップシリーズである「CBシリーズ」を筆頭に、多くの名車を世に送り出してきました。
カワサキのネイキッドが男らしさを全面に押し出したものだとすれば、ホンダのネイキッドバイクはマシンを乗りこなすことの楽しさを追求した作りになっており、総じて万人が無理なく楽しめる仕様となっている点がウリと言えます。
今回は、そんなホンダネイキッドバイクの中から、管理人の独断と偏見でチョイスさせて頂いたベスト4をご紹介させて頂きたいと思います。
名実ともに売り上げ台数ナンバー1!ベストセラーの安定性が魅力 ホンダ・CB400SFシリーズ
1992年に「Project BIG-1」と命名されたコンセプトの下、CBシリーズの持つタンクからテールエンドまでの流れるような一体感と、扱いやすさとパワフルな走りを融合させて登場したのが「ホンダ CB1000SF」とその弟分「CB400SF」です。
かつて販売されていた「ホンダ CB-1」が性能面では勝る水冷エンジンであったのにも関わらず、ライバルとされていた「カワサキ ゼファー400」の販売台数を越えられなかった轍に学び、往年の名車「CBX400F」を意識したネイキッドらしい作りに生まれ変わりました。
CB-1で採用されていたモノショック式リアサスを旧態のツインショックに戻し、どこか懐かしさを覚えるクラシカルなフォルムに仕上げ、最高出力53psの水冷エンジンを搭載。
バイクとしての走行性能の高さとスタイリングが高いレベルで調和したことにより、記録的なヒットを飛ばすことに成功しました。
その扱いやすさとトータルバランスのよさは高く評価され、登場後多くの普通二輪教習課程を持つ自動車教習所がこぞって教習車両として導入し、今日現在まで息の長いセールスを続けております。
一方でリッタークラスのCB1000SFも非常に好調となり、大型二輪免許の教習が解禁されたこともあり、ビッグバイクに憧れるファン層の心を掴み「ゼファー1100」と並ぶセールス合戦を繰り広げました。
最高出力93psは、当時のリッターバイクとしては大人しめな印象ですが、過不足のないパワーと扱いやすさ、クイックな運動性能とのバランスが見事に取れており、2017年現在は排気量を1,300ccまでボアアップした「CB1300SF」が根強い人気を保ち続けています。
その派生モデルとして、2005年にはハーフカウルを装着した「CB400Super Boldor(スーパーボルドール)」も登場し、1,300cc版も同時に販売を開始。
車両重量は266kgから273kgまで増加し、大型ネイキッドバイクの中でもかなりの重量マシンとなりましたが、直進安定性の高さと程よい足つき性のよさで女性オーナーも多いモデルのひとつです。
400ccの方は後にホンダのお家芸である可変バルブ機構「VTEC」を二輪用にアレンジした「HYPER VTEC」を採用し、高回転域でのパンチが効いた加速力を身につけ、高速走行時の胸がすくような加速感を実現しています。
126cc以上のバイクではもっとも多くの販売台数を記録したモデルだけに、独自色を出すことは非常に難しいという難点がありますが、総合力が高く欠点らしい欠点がないため、免許取得後のファーストバイク・リターン後のファーストバイクとして非常に優秀な存在と言えるでしょう。
中古バイク市場でも玉数は非常に豊富で、HYPER VTEC非搭載モデルであれば10万円程度で入手することも可能であり、旧モデルのCB1000SFは20万円台前半から購入することが可能です。
ネイキッドバイクのお手本と言える過不足のない作りは、ネイキッドを乗りこなす上で非常に多くのことを教えてくれる優秀な教師役も務めてくれることでしょう。
高年式モデルであればリセールバリューも高めで、今後ステップアップを考えている方にとっても安心の一台です。
稀少価値の高いインライン6のエキパイはステータス高し! ホンダ・CBX1000(CBX)
「ホンダのCBX」と言えば有名なのは「CBX400F」の方ですが、ネイキッドとしての完成度で挙げるとすれば、個人的にはこちらの「CBX(CBX1000)」の方をおすすめいたします。
400ccエンジン搭載のCBX400Fが異常なプレミア価格となっていることは、昨年報道された大阪府での「高速道路強奪事件」などで皆様もよくご存知の通りかと思われます。
その一方、CBXの方は大型二輪免許が必要であることにより、必要以上のプレミア価格が乗せられるケースがあまりなく、稀少性に見合った価格で販売されているレアな旧車のひとつです。
CBX最大の特徴と言えば、現存する市販バイクの中ではごく僅かな直列6気筒エンジン。
最高出力105psを生み出す巨大なエンジンから伸びるエキパイの美しさは必見モノの美しさがあり、非常に所有感の高いモデルと言えます。
車体サイズは全長2,220mm×全幅885mm×全高1,175mmと大柄ですが、構造上幅広になってしまうエンジンのクランクケースを切り落としたような形状でスリム化しており、これだけの大きさでも軽快なハンドリングとなっています。
このCBXが発売されたのは1978年のことですが、最高時速は225km/h・0-400m加速11.65秒と当時最速のレコードホルダーであり、走行性能の面でも現行モデル顔負けの一面を持っています。
サイドカバーにあしらわれた「CBX」の文字は、「X」のみが赤く彩られた独自のデザインとなっており、ノーマル車両の美しさは当時のホンダ車の中でもトップクラスと言えます。
とは言え、この当時のバイクはエンジンパワーに車体剛性が追いついていない点は否めず、直線でも加速力と比べるとコーナリング性能は今ひとつ物足りなさを感じてしまうことも。
コーナリングを楽しむためには強烈なパワーに対する「慣れ」が必要ですが、特性を把握しきればレーサーのような迫力あるパワードリフトが楽しめるのは、このCBXだけに許された抜き差しならない魅力と言えるでしょう。
世界でもごく限られた数車種のみしか採用していない6気筒という特性上、カスタムパーツはさほど多くはありませんが、海外メーカーの「ダンガーニ」などを始めとするメーカーからカスタムパーツが販売されており、カスタムバリエーションもそれなりにあります。
ホンダのネイキッドバイクの中では非常にリセールバリューが高く、間違いなく今後値上がりが予想される一台でもあります。
空冷6気筒エンジンが醸し出す整然とした美しさは、ホンダファンならずともうっとりしてしまうこと間違いなし。
この年代の旧車で現行リッターマシンをぶっちぎってやろう!とお考えの方は、一考の価値ありと言えます。
余談ですが、CBX400Fが車両価値の高騰化と盗難被害率の高さで盗難保険加入が断られることに対し、2017年5月現時点ではCBXは普通に保険加入が可能となっています。
ビジュアル性に優れた吹け上がりの良い250ccネイキッド! ホンダ・ホーネット
250ccクラスは元々ネイキッドバイク自体が限られた状況でしたが、その250ccクラスで爆発的なヒットを記録したのが、1996年に販売を開始した「ホンダ Hornet(ホーネット)」です。
以前に販売されていた250ccネイキッドの「ホンダ ジェイド」のエンジンをそっくり継承し、4in1のマフラーを大きく上に跳ね上げた刺激的なスタイリングが若年層を中心に支持されました。
元々、ジェイドに搭載されていたエンジンは「CBR250Four」の高回転型エンジンであったこともあり、最高出力40ps/13,000rpmとよく回るエンジンが同車の心臓となっています。
ジェイドと比べ、ホンダ自身が意図的にトルクの谷を作り出している仕様であり、低速時にはドンつきに注意する必要があるものの、高回転域での吹け上がりのよさは目を瞠るものがあり、同じ250ccクラスで激烈な販売競争を繰り広げた「カワサキ バリオスシリーズ」と共に素軽い走りが楽しめる一台です。
今となっては基調な4ストローク4気筒エンジン搭載車であり、ここ数年は緩やかに右肩上がりの販売価格となりつつありますが、今のところとても手が出せないほどの価格には達しておらず、普通二輪免許を取り立てで予算が少ない方でも手を出しやすいのがおすすめポイントのひとつ。
ホンダの現行ネイキッドである「CB250F」と比べてもビジュアル性がよく、モノショック式リアサスペンションが覗き見できるデザインは、現行の最新ネイキッドと見比べても全く見劣りしないほどです。
装備重量でも166kg(乾燥重量では149kg)と軽く、ハンドリング・車体コントロール性ともに非常に軽快なため、身長150cm台の小柄な方でも思う存分振り回せる扱いやすさも◎!
大きめのリアタイヤが装着されているためリアビューも非常に良く、250ccクラスで見栄えのよいバイクをお探しの方にとってはうってつけの一台です。
走行距離の少ない車両は50~60万円弱で取引されているのが一般的ですが、入荷したばかりの現状販売車であれば10万円台で入手することも難しくなく、自分でメンテを学んでいきたい方にもおすすめです。
高回転型エンジンであるため、エンジンオイルと電装系・冷却液の入れ替えなどで見違えるように状態が良くなるケースも多く、掘り出し物が探しやすい面もあります。
カスタム車両を購入される際は、出来るだけノーマルパーツの付属する車両を選んでおくと、リセールバリューの面でも安心です。
テイスティなルックスで大人のCB感を満喫! ホンダ・CB1100EX
ホンダファンの多くが憧れる伝説の名車「ドリームCB750Four」風のスタイリングを打ち出し、現代的な装備とレトロなルックスが融合した「ホンダ CB1100」は2010年に登場しました。
その中でも2014年にラインナップに加わった「CB1100EX」は、クラッチ操作を補助する「アシスト・スリーパー・クラッチシステム」とABSを標準装備した操作性の高いモデルです。
こうしたレトロ感あるオールドルックスは、「ヤマハ XSR900」などの参入によって年々静かな盛り上がりを見せていますが、18インチスポークホイールとメッキフェンダーが美しいCB1100EXは、それらネオレトロモデルの中でも一際強い輝きを放っています。
CB1300SFとは異なり、敢えて旧来の空冷エンジンを採用したことにより、最高出力は66kw(90ps相当)/7,500rpmと非常にマイルドです。
その一方で最大トルクは91N·m(9.3kgf·m)/5,500rpmと非常に低速寄りとなっており、低速時の粘り強さはリッターネイキッドの中でも随一と言えるでしょう。
肉厚でしっかりした作りのタックロールシートも座り心地が非常に良く、太いトルクを活かして気ままに街乗りを楽しめるおおらかなオーラがCB1100EXの持ち味のひとつとなっています。
ベーシックモデルのCB1100と比べ、角ばったデザインから適度な丸みを帯びたタンクに換わり、ニーグリップの感覚と見た目上の雰囲気が向上しているのもイチオシ理由のひとつです。
スーパーフォアで水冷エンジンのハイスペックさをウリとしたホンダでしたが、一転してテイスティさを求めた空冷エンジンという仕様は、このCB1100EXのイメージにピタリとはまり、肩の力を抜いて付き合える気安さがあります。
ワイヤースポークホイール装着のため、タイヤがチューブタイプのものに変わってメンテナンス性の面では若干のマイナスがあるものの、往年の名車を再現したスタイリングの完成度は高く、マイナスよりもプラスポイントの方が多いのもGOODです。
コーナリング時は腰の動きでサッと倒し込むことができ、ほんの少しの遅れと共に切れ込むハンドリングの感覚は、旧車を乗り継いで来たファンにとってたまらないフィーリングと言えます。
オールドスタイルに当時風のカスタムを施して楽しむもよし、カフェレーサー風におしゃれなイジり方をしてもよしと、非常に多彩な楽しみ方が出来る点ではCB1300SFシリーズよりも上です。
2017年モデルからはETCキット・グリップヒーターを標準装備化され、長距離ツーリング時の快適さが向上しているのも好材料です。
この新モデルの仕様変更を受け、中古バイク市場では旧モデルが70万円程度から入手できる価格帯に変化し、現在の状況は買い手にとってかなり良いものだと言えます。
現在はノーマルパーツ付きのカスタム車両も手頃な価格帯で販売されているため、現行ラインナップの中では比較的リセールバリューの面でも安心できる車種です。
高性能でなおかつタフ!個性派モデル多数アリ! おすすめネイキッドバイク・スズキ編
スズキのメーカー特色と言えば、リーズナブルな価格設定で耐久性の高さと高性能をウリにしたメーカー、という印象がありますが、ネイキッドジャンルでは独創性に優れたモデルを多く輩出しており、その他のメーカーと比べ個性的なルックスのネイキッドが多い傾向にあります。
カワサキほどではありませんが、ネイキッドの魅力である「鉄の塊感」と走行時のフィーリング・性能を大事にし、玄人好みの味わい深いマシンが多いのがスズキネイキッドの特徴と言えます。
そういった新旧のスズキネイキッドの中から、乗ってみた経験からおすすめできる4車種をピックアップしてみました!
唯一無二のルックスと地の底から湧き上がるようなパワー感が魅力! スズキ・GSX1100Sカタナ
非常に個性的なモデルが多数存在するスズキネイキッドの中において、もっとも独創性・オーナーの所有感が高いモデルとして挙げたいのは「スズキ GSX1100S KATANA(GSX1100S カタナ)」でしょうか。
1980年、当時の西ドイツで開催された「ケルンショー」にて公開されたコンセプトモデルは、日本刀の鋭利さをイメージした斬新なデザインが大きな話題を呼び、「ケルンの衝撃」としてセンショーショナルなデビューを飾りました。
造形を担当したのは、当時BMWの専属デザイナーを務めていたハンス・ムート氏が興した「ターゲットデザイン社」で、メーカーサイドの高性能への思いと、デザイナーサイドのデザインへの強いこだわりが見事に調和した奇跡的な一台と言えます。
翌1981年から販売を開始したシリーズの始祖「GSX1100Sカタナ」は、GSX1100Eをベースにスズキ独自のチューンが加えられ、最高出力111ps・最大トルク9.8kg-m/6,500rpmという驚異的なスペックとなりました。
その独創的なスタイリングも、実は非常に空力効果を検証された結果の産物となっており、時速200km/hを越える長時間巡航を可能にしている点も忘れてはならないポイントと言えるでしょう。
左右に大きく張り出したクランクケースが主張するエンジンの存在感は、アイドリング時から強烈な響きのエンジン音と共に乗り手に伝わり、大型バイクに乗っているという所有感を存分に満たしてくれます。
ノーマル状態であってもこの地の底から湧き上がってくるようなパワー感は変わりなく、後の大型ネイキッドと比べても遜色のないテイスティなマシンです。
遅れること2年後の1982年に日本仕様として販売されたGSX750Sカタナも多くのファンの心を掴み、1983年に連載を開始した人気バイク漫画「バリバリ伝説」の登場キャラクター・聖秀吉の愛車として登場したことにより、こちらも爆発的なヒットを記録しました。
ゴツゴツとしたエンジンからの鼓動感と、ややもすると野暮ったさを感じる車体の重さは腕自慢のライダーにはたまらないものがあり、腕次第では現行ネイキッドをなで斬りにしてしまえるポテンシャルの高さも魅力的です。
日本における二輪排気量の上限規制が撤廃されたこともあり、1994年から2000年までの期間は日本仕様車として最高出力95psまで抑えられたGSX1100SRも存在します。
中古バイク市場ではハイパワーを誇った93年以前のモデルの方が安い傾向にあり、相場価格としては70万円台といったところで落ち着いています。
逆に国内仕様車は若干割高になりつつありますが、現在のところ80~200万円での取引が主流となっています。
その他メーカーの名だたる大型ネイキッドと比べると、旧車としての価値が高い割に比較的手を出しやすい価格帯となっており、目立つバイクが欲しい方にもかなり魅力的ではないでしょうか?
まだ純正パーツも入手しやすい状況ですので、維持の面でもその他の旧車に比べ安心できる点もあり、旧車デビューの一台としてもおすすめ。
「旧車であって族車にあらず」、と断言できるその作りは、硬派なバイクを愛する全てのファンが魅了されること間違いなしです。
現行750ccネイキッドの壁を打ち破るスペシャリティな一台! スズキ・GSX-S750ABS
今年2017年3月30日より販売が開始となり、750ccネイキッド久々の大物となりそうな存在がこの「スズキ GSX-S750ABS」です。
メーカーによる新車販売価格は969,840円と100万円を切る価格設定である上、全長2,125mm×全幅785mm全高1,055mmと低めな車体デザインがスポーティさを演出しています。
750ccという排気量の括りでは最高レベルの83kw(112ps相当)/10,500rpmをマークしており、装備重量でもわずか212kgという軽量ぶりからも走行性能の高さを伺い知ることができます。
ベースエンジンが「GSX-R750」だけに、気難しさを感じさせるのでは?という前予想を覆し、低中速トルクに重きを置いた扱いやすさが好印象。
3モードから選べるトラクションコントロールの制御も非常に見事なもので、7,000回転以下であれば扱いに困ることはほぼ皆無と言えそうです。
作りとしては意外にシンプルなもので、サスの固さは人によって好みが分かれそうなところですが、車両価格のリーズナブルさを考えるとこれは十分許容範囲。
イマイチだなぁ、と感じるようであれば、社外品サスへの交換を視野に入れられるだけの価格設定であり、スポーツライド志向の方におすすめです。
ハイパワーではあるものの、スロットルアクションに過敏すぎるという訳ではなく、どちらかと言えば程よい遊びが感じられます。
高回転域ではエンジンからの振動が強まりますが、それが手を痺れさせるような強烈さはなく、適度にビッグネイキッドの持つ躍動感を感じられるのも魅力のひとつです。
初動のアクションはほんの少し慣れが要りますが、ハンドリングも軽快で倒し込みもかなりイージー。
トラクションコントロールを最低レベルまで落とすと、本来の強烈なパワー感がビンビン伝わってきますが、乗りこなせないレベルのじゃじゃ馬という訳でもありません。
大型バイクを操っているという充実感と、アグレッシブに攻める走りを可能とした基本性能の高さは、価格設定以上のお買い得感があるものです。
リッタークラスのネイキッドと比較してもパワーは十分にあり、足つき性も良好とあって今後の750ccクラスを大いに盛り上げてくれることが期待できる有望な一台です。
400cc最強スペックの個性派ストリートファイター! スズキ・GSR400ABS
1980年代の過激なレーサーレプリカブームの影響により、中型バイクの馬力に対する上限は59psから53psへと引き下げられ、年々強まる環境規制の影響でバイクのパワーは低下の一方となっていました。
そうした時代の流れに反し、全身を使って操るバイクならではの基本性能を追求した異端児が、こちらの「スズキ GSR400ABS」です。
2006年の発売開始当初は、スズキのミドルクラススポーツの金看板である「GSX-R600」をベースにデチューンが施され、最高出力53psという標準的なスペックでしたが、2009年以降は一気に自主規制上限を超えた63psまで強化となり、多くのファンを驚かせました。
12,000rpmで最大パワーとなる高回転型エンジンを搭載しており、乗りやすいのがおすすめポイントのひとつです。
その反面、低回転域ではトルクの薄さが不安を覚えることもありますが、スロットルレスポンスが非常によいこともあり、よほどの過密渋滞などに遭遇しない限りは安心して乗れそうです。
サイレンサーがシートの下を通る独特のデザインとなっており、バンク角が大きく取られているのがGSR400ABSの特徴。
弱点としては、シート下を通るサイレンサーの影響により、シート下の収納スペースが殆どないことと、走りに特化したサスセッティングによる硬い座り心地が挙げられます。
これについては評価が非常にはっきりと分かれるポイントですが、「シート下は書類だけ入れば大丈夫」と割り切れる方にはおすすめです。
サスのハードさは全モデルを通じて共通の難点とされており、中古バイク市場に流通している車両の中には、オーリンズなど社外品サスを組み込んだカスタム車両もそこそこ流通しています。
これらはフルノーマル車両と比べ、数万円程度高めの価格設定となっているケースが多めですが、乗り心地は非常に大きな差がありますので、まずは試乗でフィッティングを確認して検討されることをおすすめいたします。
2009年以降のGSR400ABSは、かなり安定した水準で相場価格を維持しており、30万円前後から販売されているのが主流となっています。
走りに特化した仕様上、高年式車でもかなり走行距離が多い車両もあるため購入前の試乗は必須条件ですが、スポーツライドを愛する普通二輪ライダーの方は必見の一台と言えるでしょう。
特に高速域でもダイナミックなコーナリングは、一度味わえば忘れられなくなってしまう独特の魅力があり、400ccの壁を越えたアグレッシブな走りが楽しめること請け合いです。
基本に忠実で安定性の高い走りが魅力! スズキ・GSX400インパルス
歴代GSXシリーズの中でも、ごく限られた特別仕様車のみに受け継がれてきた「Impulse(インパルス・衝撃)」の名を継承し、3代目インパルスとして世に送り出されたのが、1994年にデビューした「GSX400インパルス(GK79A)」です。
「GSX400Sカタナ」に搭載されていた水冷4気筒エンジンをそのまま流用し、車体デザインを初代の「GSX400FSインパルス」のイメージに合わせたことが功を奏し、ライバル他社製ネイキッドとの熾烈な販売競争を繰り広げました。
ネイキッドバイクとしては非常にスタンダードな作りとなっており、鋼管製のパイプを使用したダブルクレードルフレームにツインショックを採用し、すでに販売されていた「バンディット400シリーズ」とは異なる正統派ネイキッドとしてファンに歓迎されました。
この3代目インパルスは1999年まで販売され、その中でも往年の名レーサーであるウエス・クーリーがAMAスーパーバイクを制した際のパートナー「GS1000」を彷彿とさせるビキニカウルを装着し、そのレーシーな外観とスズキ伝統のワークスカラーのコラボレーションが絶大な人気となりました。
それ以降は5年間の沈黙を破り、2004年に4代目インパルスとしてGK7CAの型番を与えられた「インパルス400」が登場。
こちらは旧車ブームの影響を色濃く受け、スズキのワークスカラーである青&白のカラーリングや、初代インパルスを再現した赤&黒のカラーリングを施した限定モデルなどが人気を集めました。
しかし、年々強まる排出ガス規制強化などの煽りに逆らうことはできず、2008年をもって生産を終了してしまいましたが、高回転になればなるほど猛々しさを増すエキゾースト音は、今日現在でも根強いファンがいるほどネイキッドらしい魅力に溢れたものと言えます。
90年代の400ccネイキッドを代表する一台であり、オーソドックスな作りでありながらもスズキ本来の高性能を存分にアピールしたその仕様は、現在のGSR400といったハイスペックマシン達にも色濃く受け継がれています。
現在の中古バイク市場では3代目と4代目が混同されて扱われているケースも多く、購入前の事前確認は必須条件ですが、3代目インパルスは10万円台から完動車を購入することも可能で、ネイキッドらしいバイクが欲しい方には非常に手を出しやすい点が魅力です。
低年式車でも走行距離は4万kmを超えていない車両が多く、スズキの持ち味であるエンジンのタフさもあって意外にヘタれていないエンジンを持った車両が多めなのも安心材料と言えるでしょう。
その反面、純粋なノーマル車両が殆どないことにより、リセールバリューの面ではマイナス材料でもありますが、カスタムパーツを組み込んでイジればイジるほど新しい魅力が発見できるマシンでもあります。
噛めば噛むほど味の出るスルメのような奥の深さがあり、街乗りからワインディング・ツーリングまでを幅広くこなすオールラウンダーとしてお買い得なマシンです。
軽快なハンドリングとコントロール性のよさが魅力! おすすめネイキッドバイク・ヤマハ編
「YZF-R1」に代表されるように、ヤマハのバイクは総じて軽快なハンドリング性とコントロール性の高いボディを活かしたスポーツ性能がウリとなっています。
それはネイキッドというジャンルにおいても変わらず、他メーカーよりも軽量で運動性能に優れたネイキッドが多いのが特徴と言えるでしょう。
それでいながらも、ホンダのようにクセのない優等生的なモデルばかりではなく、空冷エンジンへのこだわりなど独自色を打ち出しているのがヤマハの魅力でもあります。
近年は世界を視野に入れたネイキッドも意欲的に輩出しているヤマハ車の中から、厳選した4車種をご紹介させて頂きたいと思います。
空冷エンジンの限界に挑戦した大型ネイキッド史に残る名車! ヤマハ・XJR1300
ヤマハというメーカーは、トヨタ・レクサスという日本を代表する自動車メーカーにエンジンを供給しており、エンジンの扱いに関してはスペシャリストと言ってもよいメーカーです。
そんなヤマハが、水冷エンジンの有利さに頼らず、敢えて空冷エンジンを採用しネイキッドらしい走りの楽しさを追求したマシンが、「ヤマハ XJR1300」です。
「カワサキ ゼファー」によってネイキッドブームが頂点を極めた1993年に誕生した「XJR400」の登場後、1年の熟成期間を経て投入された「XJR1200」をボアアップさせ、1998年から昨年まで製造販売されたロングセラーモデル。
92年にはすでに「ホンダ CB400SF」が水冷エンジン搭載モデルとして高性能ぶりをアピールしていましたが、敢えて性能的に不利な空冷エンジンを採用し、ヤマハならではのスリムな車体と軽快なハンドリングで勝負に出た意欲作となっています。
熱処理の面で劣る空冷エンジンでありながら、鍛造ピストンの採用で出力の底上げを図り、エンジンにメッキシリンダーを採用して放熱効率を高めるなど、随所に空冷エンジンの限界に挑戦した形跡が見られるのも特徴のひとつです。
それでいながら外観美が損なわれていないのが特色で、空冷フィンの美しさや均整の取れたボディラインなど、大型ネイキッドの中でも造形美へのこだわりが見える逸品となっています。
最高出力74kw(100ps相当)/8,000rpmという数値は、長年のライバル「ホンダ CB1300SF」と全く同等の数値となっており、車体重量比で10kg軽い車体がコントロール性での有利さを物語っています。
全長2,175mm×全幅780mm×全高1,115mmと大型ネイキッドらしい車格の持ち主ですが、全幅780mmという数値が示すように非常にスリムで、渋滞時のすり抜けなどもこなせる器用さが備わっているのが特徴と言えるでしょう。
この軽快な運動性能は中型クラス並みで、軽快なスロットルレスポンスと併せてワインディング性能は大型ネイキッドバイクの中でもトップクラスの実力があります。
今年2017年をもって日本国内仕様車の生産終了がアナウンスされましたが、2015年にモデルチェンジが行われた欧州仕様車は生産継続が決定しており、最高出力106psまでパワーアップした欧州仕様車に期待を寄せるファンが増えています。
日本を代表するビッグネイキッドのひとつであるため玉数は非常に多く、98~2001年モデルあたりであれば20万円台後半から購入することが可能です。
空冷エンジンの弱点であるヘッドカバーのガスケットさえ定期的に交換しておけば、いつまでも乗り続けられるほどタフな一面もあり、維持の面でも意外に優しいのが嬉しいポイント。
現在は中古バイク市場でもカスタム車両が豊富で安く手に入るため、大型バイクデビュー用としてもぴったりの一台です。
2ストならではの瞬発力が光る元祖中型高性能ネイキッド! ヤマハ・RZ250
現在は「旧車會」向け車両を中心とし、旧車に対するプレミア価格が当たり前となっていますが、そんな中でも優れた性能と美しい車体デザインを誇る「ヤマハ RZ250」は、族車的な色合いに染まらない独自の魅力が詰まった貴重な一台です。
環境規制が強化され始めた1970年代の後半、「最後の2ストロークスポーツモデルを作る」という基本コンセプトの下開発されたRZ250は、採算を度外視したヤマハ技術陣の情熱が形となった夢のマシンと言えます。
同社のフラッグシップモデルとして名高い「VMAX」のデザインを手がけた「GKダイナミクス」による美しいデザインもヒットを呼び、最高出力35psという2ストロークエンジンの持つ爆発力を活かしたハイスペックさも多くのファンの心を掴みました。
当時の市販オンロードスポーツバイクでは初となるモノクロスサスペンションをリアに採用するなど、技術面でも見所が多い革新的な一台です。
高回転型でピーキーな性格であった市販レーサー「TZ250」のエンジンがベースですが、中速域を重視した扱いやすいパワーフィールとなっており、乾燥重量139kgという軽量を活かした鋭いコーナリング性能と合わせ、上位クラスと互角以上に戦える武闘派マシンとなっています。
このRZ250は「400キラー」、上位グレードのRZ350は「750キラー」と呼ばれ、80年代に「ワインディングで遭いたくないマシン」の筆頭候補に挙げられるクラスレスの名車でした。
現在の中古バイク市場では40~80万円前後が一般的な相場価格となっており、純正パーツ次第で価格が変わってくるといった状況になっています。
旧車としては手頃な価格帯であり、構造がシンプルな2ストロークエンジンであるためメンテナンス性は存外に良く、旧車の中でも維持しやすい部類に入ります。
現在ではCBX400FカラーリングのCB400SFなど、旧車スタイルのマシンが多数ありますが、そのオリジナルマシンがこれだけリーズナブルで手に入る状況はなかなか魅力的だと思います。
交通量の少ない朝、雷鳴のようなエキゾースト音と共に立ち上る白煙の中に佇むRZ250は、時代を超越してバイク乗りの魂を振るわせる稀有な魅力を持ったマシンです。
プレミアム感・所有感・走りの充実度と、どれを取っても一級品ですので、ご興味のある方はぜひ実車チェックされてみることをおすすめいたします。
YZFベースの車体剛性が持つコーナリング性能が魅力! ヤマハ・MT-25
フルカウルスポーツのカウリングを取り外し、ストリート向けのネイキッド化して軽快なスポーツライドを楽しむという「ストリートファイター」は、2000年以降着実に支持層を増やし、現在では各メーカーが自信作を多数投入している人気ジャンルです。
そんなスポーツ志向派ネイキッド「ストリートファイター」の中でも、スポーツ性能に優れた「ヤマハ YZF- R25」をベースにした「MT-25」は、現行中型クラス随一の運動性能を誇るマシンです。
2015年秋から日本国内販売を開始したMT-25は、YZF-R25をカウルレスにしアップライトなハンドルで近代的なアレンジを施した扱いやすいストリートファイター。
同一の車体で320ccエンジンを搭載した「YZF-R3」と「MT-03」とは姉妹車の関係にありますが、限られたパワーをフルに使い切って走れる充足感は、MT-25の専売特許と言っても過言ではありません。
フルカウルスポーツで前傾のキツいYZF-R25に比べ、アップライトなポジションで街乗り向けとなったMT-25は、低速トルクの細さがまったりとした乗り味に変わり、のんびり走らせる楽しさも味わえる仕様に様変わりしています。
MT-03に比べると低速時のパンチ力は賛否両論が別れるところですが、過激なパフォーマンスを求めずたまにスポーツを楽しみたい…、といったライト志向の方にはこちらの方が断然おすすめ。
ヤマハ250ccバイクの定石通り、とにかくスロットルを開けて乗るというスタイルであれば、車体剛性が勝ったYZF-R25と共通の車体が真価を発揮し、軽快な倒し込みでアグレッシブな走りが楽しめます。
細身の作りとなっているMT-25は乗り手のアクションが車体に伝わりやすく、フルバンクの際に恐怖心が伴うような初心者の方でも、腰の動きひとつでスッと寝かせることができ、スポーツライディングのいろはを学び取る上でも非常に優秀です。
また、新車販売価格も523,800円(税込み)と非常にリーズナブルで、発売開始3年を迎えて中古バイク市場にもそれなりの玉数が流通するようになってきました。
中古バイク市場では走行距離5,000km以下の2016年モデルであっても30万円台から取引されており、1年落ちの展示車両などもほぼ同等の価格帯で取引されています。
普通二輪免許を取って、峠を颯爽と駆け抜ける格好いいところを見せたい!という方にとって、このMT-25は非常にオイシイ優良物件としておすすめです。
大型ネイキッドのカスタム性を存分に楽しもう! ヤマハ・XSR900
ここ数年の旧車ブームの高まりを受け、バイクのカスタム手法の中でも旧車のルックスを再現したものがにわかに人気を集めています。
その中心となっているのが、昨年2016年に発表されたヤマハ期待のニューモデル「XSR900」です。
「The Performance Retro-ster」というコンセプトを掲げ、これまでの枠組に捉われない「ネオレトロ」という特色を打ち出して設計されたXSR900は、アナログさすら感じるレトロな車体デザインに最新の水冷3気筒エンジンを搭載したマシンとなっています。
このエンジンは同社のMT-09・MT-09トレイサーと同一で、パーツを共有化する同社の「クロスプレーンコンセプト」に基づき、最高出力81kw(110ps相当)/9,000rpmと非常にパワフル。
懐かしさを覚える車体デザインですが、アシスト・スリーパークラッチや非常に出来のよい最新鋭のトラクションコントロールにより、現代的な走りを可能にしています。
ゆとりあるパワーを扱いやすく仕上げ、ツーリングから街乗りまで柔軟な対応力を見せるその完成度の高さは、デビュー2年目とはとても思えないほどにお見事。
兄弟車のMT-09と同一エンジンながら、非常にユーザーフレンドリーなマシンに仕上げられているのがXSR900の特徴です。
サスセッティングはMT-09よりもハードな印象を受けますが、重心位置がMT-09よりも後方に収まる設計となっているため、2時間程度ではお尻が痛くなるということはないでしょう。
XSR900最大の特徴は、「ネオレトロ」を全面に押し出したことによるカスタムの多彩性でしょうか。
それを裏付けるかのように、昨年のデビューと同時に同車の伝説的な名車である「RZ250」を再現した外装キットがワイズギアからリリースされており、今年はさらに色違いヴァージョンも追加されており、往年のファンを大いに喜ばせています。
シンプルなデザイン性は同社の「SRシリーズ」にも繋がる飽きのこない味わいがあると同時に、非常にカスタム映えする絶妙なバランスで設計されているのが大きな特徴。
あらゆるライダーが自分なりのスタイルで付き合うことができ、気楽に乗れてなおかつ速い。
そんな欲張りな魅力がぎっしりと詰まったXSR900は、まったりライドからバリバリのカスタム派まで、誰もが自分だけのバイクライフを楽しめる絶好のパートナーと言える存在です。
オーソドックスさとカスタムの多彩性でその他ジャンルを圧倒! ネイキッドバイクはこれからも全てのライダーに愛され続けるに相応しい定番ジャンルです
古今東西の新旧モデルを含め、管理人厳選のおすすめネイキッドバイクをご紹介させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか?
男らしい無骨さが持ち味のスタンダードなネイキッドから、近代的なハイテク装備バリバリの現行モデルまで、ネイキッドというジャンルも多様化してきましたが、時代の流行廃りに流されない不変の魅力は、男女問わず飽きの来ない味わい深さがあります。
シンプルさ、硬派さ、カジュアルさ…。
ネイキッドバイクに求めるものは人それぞれですが、自分だけのマシンを所有する悦びを味わえるのは、何と言ってもネイキッドバイクが随一だと思います。
この中から、あなたの生涯のパートナー候補となる一台を見つけることができれば、至極光栄です。
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