2018年発売!Z900RSの実力は?カワサキ渾身のニューモデル!
1972年から76年にかけて発売され、「Z1」の愛称で一世を風靡したカワサキきっての名車・900RS。
生産終了後もカワサキファンを始め絶大な人気を誇り、男カワサキの代名詞的存在として今なお色褪せない魅力を持った名車のひとつです。
それから40年もの歳月が流れ、今年2017年10月の「東京モーターショー」にて公開され、ハイスペックぶりとノスタルジックなフォルムで多くのバイクファンの話題となりました。
「ロードスター」のRSから「レトロスポーツ」のRSに変わった新生900RSことZ900RS、果たしてその真価はどうなのでしょうか?
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Z900RSはZ1のスタイリングと近代技術の融合作!
今回拝見させて頂いたZ900RSは、Z1を再現したキャンディトーンブラウン×キャンディトーンオレンジではなく、同時発売のメタリックスパークブラック。
話を聞いてみたところ、なんと現在の予約数の実に9割以上が火の玉カラーの方で、玉虫カラーのこちらが試乗展示車両とのこと。
ちょっと残念ではありましたが、気を取り直してまずはZ900RSのデザインからチェックしていきましょう。
デザインは近代ネイキッドの例に漏れず、外装パーツとボディとの一体感を目指し、外装パーツとの継ぎ目が限界まで小さくされている点が目立ちました。
特に明確な違いはサスで、Z1が空冷ネイキッドの定番でもあった左右2本サスであるのに対し、Z900RSはモノショック式サスペンションを採用。
ちょうど車体の中央に配置されたサスの加減衰幅はかなり大きく、ガチガチのロードスポーツというよりもモタードに近い柔らかさを持っていました。
フロントにはφ41mmの大径フォークを採用し、大柄な車体に見合った抜群のダンパー性を確保しています。
車体のベースはZ900ですが、メーカー担当者の方いわくZ1000をボアダウンした形だそうで、最高出力は82kW(111ps)/8,500rpmと若干控えめ。
高回転域での獰猛なパワー感をウリとしたストリートファイターではなく、往年のネイキッドが持つ乗りやすさを重視した出力特性だと言えるでしょう。
巷ではエンジンベースもZ900と言う説が主ですが、どうやら昨年をもって生産を終えたZ1200DAEGに続くリバイバルマシンとしての意味合いが強いとの事で、両者のエンジンスペックを比較してみると確かに納得がいきます。
Z900RS | Z1200DAEG | |
---|---|---|
最高出力 | 81kW(110PS)/8,000rpm | 82kW(111PS)/8,500rpm |
最大トルク | 98N・m(10.0kgf・m)/6,500rpm | 107N・m(10.9kgf・m)/6,000rpm |
出力的には1psのアドバンテージがあるZ900RSですが、トルクの面ではZ1200DAEGの方に分があり、ハイスペックマシンの「ロードスター」ではなく、「レトロスポーツ」とした意味が色濃く現れているようにも思えます。
Z900RSはビッグネイキッドらしい存在感ある車格の持ち主ですが、全長2,100mm×全幅865mm×全高1,150mmとサイズ自体は意外にコンパクトな設計。
驚くべきは車両重量で、乾燥重量215kgとDAEG比で30kg以上もの軽量化を実現しています。
この軽さは押し引き・取り回しの面で大きな武器となっており、思い切り体重をかけてサスの動きを見ながらチェックしたところ、まるで250ccネイキッド並みの軽さがありました。
特に印象的なのがアシスト・スリーパー・クラッチ採用によるクラッチの軽さで、ビッグネイキッド特有のカチッとした重さは一切なし。
管理人はクラッチを握ったとき、そのあまりの軽さに「あのー、もしかしてクラッチワイヤー入ってないとかありませんよね?」と聞いてしまいそうになったほど。
ハンドルは操縦性と安定感確保のためにやや太めのバーハンドルが採用され、見た目にも頼もしさを感じさせてくれましたが、向かって右側のブレーキマスターシリンダーにご注目。
往年のZ1がそうであったように、今回のZ900RSもオールドスタイルのマスターシリンダーを採用していました。
スイッチ回りなどはZ900と同様のものでしたが、カワサキファンにはなじみの深い砲弾型メーターと合わせ、こうした心憎い再現ぶりが光りました。
その一方、ヘッドライトやウインカー・テールランプといった保安機器は、現代のバイクに求められる高い視認性を確保するためフルLED化。
この点ではやや残念な気もしましたが、40年前と今の基準の違いを考えるとこれは致し方なしと言うべきでしょうか。
ところでこのZ900RS、シート高は800mmとZ1200DAEG比で1cm高い数値になるのですが、身長160cmの管理人が跨ってみたところ、見事に両足べったり。
これはシートのクッション性が十分であることも大きいのですが、シート形状が既存のビッグネイキッドよりも前方の絞りが大きく、このスリム化が足つき性の向上に大きく貢献しています。
車体のベースがZ900ということで前傾角度がキツいのでは…と予想していたのですが、ステアリングアングル35°は伊達ではありませんでした。
むしろ小柄な管理人でも指先から胴体までの感覚に十分なゆとりがある上、脇を締めてスロットルを開けても操縦に困らないだけの余裕あり。
純正ハンドル自体がかなり幅広な作りであるため、長時間乗り続けても疲れない乗り手のことを考えた現代的な作りであることに感心させられました。
これでレトロスポーツという位置付けにしていいのか少々疑問は湧いたものの、大型ネイキッドとしての実力は十分高性能であることは間違いありません。
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カワサキ・Z900RSの気になるお値段は?
2018年12月1日をもって受注販売を開始したカワサキ・Z900RS、メーカーにとっても非常に嬉しい順調なセールスを記録しているようですが、実際の販売価格についても触れておきたいと思います。
カワサキ発表の車両価格は税込みで1,328,400円となっており、今回は車検など諸々諸費用込みで算出し支払いシミュレートしてもらいました。
頭金30万円・24回+ボーナス併用払い
頭金50万円・24回+ボーナス併用払い
支払い条件として、大型バイクの平均買取相場と言われている30~50万円をそのまま頭金とした場合の支払いシミュレートですが、金利面にもご注目ください。
現在、カワサキ正規代理店ではZ900RSの大々的なセールスプロモーションを展開しており、年利2.9%という低金利となっております。
自動車・オートバイを対象としたオートローンうち、もっとも利用率が高いオリエントコーポレーション(通称・オリコ)では平均して年利10%強となっているのですが、年利2.9%となっていることからもカワサキの本気が伺えます。
今回はボーナス月に10万円の追加支払いという形でシミュレートしてもらった形ですが、通常月の支払いは月々3万円を超えない範囲でスマホをもう1台契約する程度の金額で納まってしまいます。
上記スクリーンショットは某バイクショップのwebシミュレーションサービスですが、金利に当たる分割手数料は4倍以上の設定となっており、いかに今回の金利が特別であるかが分かります。
この低金利は審査がもっとも厳しく通りづらいとされている銀行系とほぼ同水準のものであり、メーカーであるカワサキによる審査の推しも加わることを加味すれば、乗り換え・買い替えでZ900RSを手に入れるまたとないチャンスと言っても過言ではありません。
ちなみに現在のZ900RSの予約販売状況ですが、12月7日の時点では1月中旬~下旬の納車予定と極めて良好とのことで、冬に入ったとは言え比較的高額買取が期待できる今が買い替えの好機となっております。
ディーラー系の下取りの場合、査定金額が低いことを考えると年を越してしまう前に高値で売却して頭金を確保し、早期予約でスピーディにGETするのが経済的だと言えるでしょう。
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【続報】気になる追加モデル・Z900RS CAFÉはどうなの?
12月1日の販売解禁からほどない12月9・10日、大阪梅田のグラントフロント北館にて行われた「カワサキモーターショー in グランフロント大阪」。
こちらで本邦初公開となるカワサキ・Z900RS CAFÉが展示と聞き、さっそく実車チェックに行ってきました!
前情報通りに丸みのあるビキニカウルでレトロ感あり。
ハンドル高などの違いにより、オリジナルのZ900RSとはまた違った雰囲気に
リアビュー。独自仕様のシートによりカフェレーサーらしさがUP
こちらはほぼZ900RSと変わらず。大径タイヤがパワーを物語る
東京モーターショー直後の11/9、ミラノモーターショーにて発表されたこともあり、国内では大阪モーターショーに来ると予想されていたZ900RS CAFÉ。
残念ながら出展は見送りとなってしまいましたが、大阪モーターショーの開催日程にぶつけて来ただけのことはあり、じわりと来るスルメのような味わい深さが印象的でした。
個人的な見所を挙げさせて頂きますが、まずは両者のハンドル高の違いをご覧ください。
鷹揚なポジショニングで乗れるZ900RSに対し、Z900RSは低めのハンドル高でスポーティさを演出。
このローマウント仕様のハンドルはカフェレーサーらしさをグッと盛り上げ、ウェイトコントロールの向上に繋がる大きなポイントのひとつです。
ウインカーのマウントもカウル一体化によって変更されており、この辺りがカフェレーサー感を盛り上げております。
個人的に◎を挙げたいポイントは、以下のシートタイプの変更です。
Z900RS。名車・Z1を意識した前方の絞りが利いたシート設計
Z900RS CAFÉ。前方の絞り具合はほぼ同一ながら、ダックテール風に仕上げシングルレーサーっぽさを演出
カフェレーサーという仕様上、懐古感とスポーティさを両立させるのがカスタム上のセオリーですが、大排気量車を得意とするカワサキらしいスタイリング。
シートの基本形状はZ900RSとほぼ同様ではあるものの、表皮とパッセンジャー側の小変更でグッとらしさをUP。
Z1-Rの平坦なものとは違い、近代カワサキの特徴のひとつである「現代的なアプローチ」が感じられました。
また、マフラーにも独自のヘアライン加工が施され、リアタイヤの外観と合わせシンプルさと機能美を感じさせるスタイリングが好印象。
タンクサイドのグラフィックパターンもZ900RSとは異なり、カワサキストライプを連想させながらレトロさを感じさせるシンプルなパターンに。
前評判ではZ1-Rのレプリカ、といった声が聞かれましたが、こうして実車に触れてみるとKR1000とZ1のイメージを基にしたオリジナルカフェレーサーといった印象。
伝統のライムグリーンとはまた違ったカラーリングを採用したあたり、新時代のモーターサイクル開発に意欲を見せるカワサキの本気が伺えます。
これを是とするかは人それぞれですが、管理人の個人的な意見としては大いにアリだな、と感じました。
気になる国内販売予定は2018年春と発表されておりますが、カワサキが発表する「春」は5~7月の初夏を含むことが多いため、前半期内の受注と考えておけばまず間違いないでしょう。
販売価格については現時点では公表されてはおりませんが、当日イベントブースでメーカー担当者の方に質問してみたところ、「現時点では明言できませんが、10万円も20万円も変わることはありません」とのこと。
ベースのZ900RSメタリックスパークブラックが車両販売価格120万円(税抜き)であることを考えると、5万円UPで税込み135万円前後になると予想しております。
また、発売解禁と同時にタンク・シート・ビキニカウルといったパーツも単体で取扱いを開始する予定という情報も得られたため、現在の予約をキャンセルして…と考えておられる方はご安心を。
管理人個人としても大いに期待している一台ですので、続報が入り次第皆様に新情報をお届けさせて頂きます!
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