ヴェルシスX250ABS アドベンチャーバイクの幕開け【2017年】
近年、あらゆる地理条件を突破することを目的とし、高い走破能力で人気を呼んでいるのが「アドベンチャー」というジャンルです。
従来のオフ車に嘴状のアッパーカウルを装着することで空力効果を追求し、高剛性と柔軟性を両立させたフレームを採用することで均整の取れたバランス力を持った完成度の高さが特徴の新ジャンルでもあります。
ハイレベルな完成度が求められるアドベンチャー市場において、今年2017年にカワサキが自信を持って送り出したのが、250ccクラスで登場した「カワサキ Versys-X(ヴェルシス-X)250ABS」です。
すでに大型クラスで活躍している「ヴェルシス1000」と「ヴェルシス650」の弟分にあたるモデルですが、「ニンジャ250」に通じるシャープなフロントマスクを与えられ、250ccという扱いやすさが身上のクラスに殴り込みをかけた意欲的なマシンとなっています。
今回は4月15日の日本国内発売解禁を前に、「大阪モーターサイクルショー」で一足早く試乗できた「カワサキ ヴェルシスX250ABS」2017年式のインプレをお届けさせて頂きます。
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ヴェルシスX250ABSはデザイン一新のスタイリッシュアドベンチャー!
ヴェルシス-X250ABSを一見し、印象的なのが「ニンジャ250」を彷彿とさせる線を基調としたシャープなスタイリングです。
兄貴分である「ヴェルシス1000」らが「面」を多用したフォルムなのに対し、ヴェルシスX250ABSはメタル感の高い車体と、空力効果を高めるために装着されたアッパーカウルが調和した精悍なフロントマスクが印象的。
このアッパーカウルに採用されたスクリーンはデザインを損なわない絶妙な大きさで、スタイリングのよさは兄貴分たちを超えるほど。この辺りはショートタイプに交換しても面白そうで、スタイリングに関しては非常に高水準です。
全長2,170mm×全幅860mm×全高1,390mmとかなり大きめのサイズですが、ヴェルシスX250ABSは均整の取れた車体バランスとデザイン性の高さにより、存在感の高さでクラスレスの迫力がありました。
単純に「かっこいいバイクが欲しい!」という方を楽しく迷わせてしまうほどの魅力があり、これだけでも話題を呼ぶのに十分なスタイリッシュ・アドベンチャーと言えます。
ヴェルシスX250ABSはオフ車の足つき性の難点を克服した画期的マシン!
ヴェルシスX250ABSは810mmと高めのシート高となっていますが、実際にシートに跨ってみるとサスペンションの沈み具合がかなり大きく、見た目以上の足つき性の良さが実感できました。
管理人はそれほど体格のよくない女性ライダーですが、両足をしっかりと地面につけることができ、ハンドルから手を離したままでも不安を覚えないほどバランス感がよく、渋滞時・信号待ちなどでも気苦労なく停車できるのは小柄な方にとって朗報です。
パニアケースなどを装着したツアラー仕様の「ヴェルシス-X250ツアラー」が3月に先行販売されることがすでに公表されていましたが、乗り手の疲労感を軽減させる工夫が感じられ、このベーシックモデルにも十分ツアラーとしての素質が窺えました。
ヴェルシスX250ABSは軽さが取り回しのよさに繋がって操作性抜群!
ヴェルシスX250ABSのもっとも印象的だった点は、その操作性のよさです。
ハンドルの高さが日本人の体格にちょうどよい位置にマウントされており、押し引き・取り回しに全く力を要しないバランスのよさが際立っていました。
ヴェルシスX250ABSの車体重量は175kgとそれなりの目方がありますが、それを全く感じさせないほどで、ハンドルに手を添えて足運びをするだけで動いてくれる感覚で、250ccならではの軽快性が感じられました。
これはまさに緻密な計算で設計を行ったカワサキの技術力の賜物と言え、オンオフを問わずあらゆる環境に適合するための「アドベンチャー」ならではの運動性と言ってもよいでしょう。
125cc並みと言えば少々大袈裟ですが、体力に自信のない方でも簡単に扱える操作性のよさは、ヴェルシスX250ABSを語る上で大きなキーポイントのひとつであることは確かです。
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ヴェルシスX250ABSは走りもパワフル!
ヴェルシスX250ABSは車体の完成度の高さに目がいってしまいがちですが、バイクとしての性能自体も非常にハイレベルでした。
ヴェルシスX250ABSは最高出力33ps/11,500rpm、最大トルク21N・m(2.1kgf・m)/10,000rpmと、オフ車としてはかなりの高出力となっており、高回転型の出力特性ですが低速から十分なトルクを発揮し、非常に粘り強さと安定感を発揮してくれました。
これは最小回転半径2.5mというコンパクトな作りにもよるものですが、極低速でも余裕のあるパワー感があり、ハイパワーに気を遣うリッターアドベンチャーよりも気楽に乗れる安心感があります。
ゼロスタート時のダッシュ力も必要十分以上のものがあり、5,000回転以上でクラッチを繋げばキレのよい加速力で交通の流れを作り出せるほど。様々な環境への適合性が求められるアドベンチャーとして、初年度からここまで完成度が高いバイクとなっていることに脱帽させられてしまいました。
ギアレシオ1速2.600(39/15)・2速1.789(34/19)によるものと思われますが、4,000回転付近を上手く使えばかなりシフト操作性は良好で、DOHC4バルブの並列2気筒エンジンは全域で力強さを発揮してくれます。
ヴェルシスX250ABSはフロント19・リア17インチのタイヤサイズということもあり、車高の高さがコーナリング時には大きな武器となり、意識するだけでスッと倒れ込んでくれるのも特徴のひとつ。
ハンドル角が40度と大きいこともあり、操作性のよさはまさに意識するだけで全ての操作が可能なほどです。
車体の柔軟性が高いためでしょうか、グイッ!と切れ込むような倒し方をしても車体がブレるようなこともなく、安定性が極めて高いことを実感できました。
250ccクラスはエンジンパワーに限りがあるため、それをフルに使い切った走りができる点が魅力のひとつですが、ヴェルシスX250ABSは8,000回転をキープしたままであらゆるアクションが取れるほどの器用さもあり、腕自慢の方から初心者まで層を問わず楽しめる懐の深さがありました。
この点では兄貴分650に肉薄するだけの実力があり、日本というストップ&ゴーの多い国の道路事情から考慮すると、スポーツ走行への適応力は兄貴分たちを大きく上回ると言えます。
ベーシックモデルでありながらABS標準装備という点も好材料のひとつで、「曲がる・止まる」という点に何一つ不安を感じさせない点は特筆に値します。微妙なタッチが要求されるような条件でもハードルは低く、クラスを超えたスーパーオフロードと言えるだけの基本性能の高さもヴェルシスX250ABSの魅力と言えるでしょう。
ヴェルシスX250ABSは積載力も高水準! キャンプツーリングも余裕です!
バイクとしての基本性能の高さもそうですが、アドベンチャーモデルは荷物を満載してのツアラー適性も大きなポイントのひとつとなっています。
ヴェルシスX250ABSは標準で大型リアキャリアと頑丈なスチール製グラブバーを装備しており、積載性の面でも一切ぬかりがありませんでした。
すでにパニアケース装着の「ヴェルシスX250ABSツアラー」が先行販売されておりますが、ベーシックモデルのヴェルシスX250ABSにもワイドサイズのシートが装着されておりますので、多少の無理も効きます。
ヴェルシスX250ABSはタンクバッグを装着すれば、キャンプツーリングの大荷物を一手に任されても安心できるほど積載性は高く、この点でも250ccクラスでは頭ひとつ抜けていると言えるでしょう。
ヴェルシスX250ABSは初年度から完成度の高さで穴なしのお買い得マシン!
約20分の試乗時間、目一杯ヴェルシスX250ABSの粗探しをしてみたのですが、正直言ってここまで完成度が高いとは夢にも思っていませんでした。
デザイン性と車体サイズだけに目を奪われがちですが、俊敏な反応を見せるエンジンと柔軟性の高い足回り、ツアラーとしても優秀な積載性の高さなど、結果的に何ひとつ穴がないことを確認するだけに終わってしまいました。
コーナリング性能の高さと柔軟性も大きなポイントで、初心者からベテランまで幅広い層のライダーを満足させられるだけのクオリティーがあり、今年2017年のベストマシンと言えるほど見事な作りとなっていました。
(オフ車はなんかデザインが嫌だ…)と食わず嫌いしていた友人も絶賛していたほどで、新車販売価格583,000円というリーズナブルな価格設定であれば間違いなく買いの一手と言えます。

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